外資系企業で求められる英語力
佐川さん、本日はよろしくお願いいたします。最初にお伝えしておきますが、ありのままに思ったことをお話しください。必要があれば悪く言っていただいて結構です。佐川さんは、ENGLISH Lab.で受講を開始される前のTOEICスコアが900点とハイスコアでした。受講を開始されてから6ヶ月ほどになりますね。まず、最初に基本的なことから伺いたいのですが、そもそもなぜ英語力をつける必要があるのでしょうか?
英語を読む、書くということは大学までの授業と以前に自分で取り組んだTOEIC対策で比較的慣れてはいたんですけど、英語を「話す」ことには強い苦手意識がずっとあったんです。
なので、いつかはスピーキングを鍛えられる英語スクールに行くつもりでした。
そんな中、ここ最近急に仕事で英語を使う場面が増えてきて、「本気で取り組まないとヤバい!」と思い、こちらで受講させていただくことにしました。
具体的にはどういった場面で英語を使うのですか?差し支えなければ教えてください。
僕は外資系企業で働いていて、もちろん現在の英語力でも、しっかり事前の準備をすることで業務に支障をきたさないようにしています。
ですが、より良い仕事をするため、より価値の高い成果を出すために英語力を高めることは必須だと考えています。また、今後のキャリアを広げるためでもありますね。
具体的にどういった場面で英語を使っているのかについても教えていただけますか?
レポート先のリージョナルオフィス、シンガポールですね、このリージョナルオフィスとのコミュニケーションで頻繁に英語を使用します。
メールや電話会議、ミーティング、あとはワークショップ、プレゼンなどでも使います。
英語を使う機会は多いんですね。佐川さんは帰国子女でもなければ、留学経験もありません。これまで英語をどのように勉強されてきましたか?
中学に入学してABCから始めました。中学・高校・大学と、文法とリーディングが中心でしたね。大学受験の時にはしっかり勉強しました。
大学卒業後の学習についてはいかがですか?
いろいろ試しましたよ。市販の教材を買って、英検やTOEICのような資格試験の学習をしたり、瞬間英作文に取り組んだりもしました。
オンライン英会話もやったし、1ヶ月ほどですが短期語学留学にも行きました。あとは、いくつか大手英会話スクールにも通いましたし、スパルタ系の英会話教室にも通いました。
短期留学を除けば、日本国内でできそうな学習はひと通り試されたんですね。
その後、ENGLISH Lab.に通われたわけですが、通うようになったきっかけや目的について教えていただけますか。
僕は大学受験の成果で、英語での読み書きにストレスを感じることはほとんどありませんでした。ですが、外資での業務上、リスニングとスピーキングにはずっと大きな課題を感じていました。
先ほどお話したとおり、長きに渡っていろいろな学習方法にトライしてきました。ですが、今一つ成長を感じない、もしくは、高負荷すぎて学習が続かない、という結果が続いていました。
自分の課題や確保できる学習時間に合った効果的な学習方法が見つからず途方にくれているときに、たまたまネット検索で「TOEICのスコアは高いが、英語は話せない」という内容のコメントを見つけ、ENGLISH Lab.を知りました。
日本国内での学習でもスピーキングは上達する
初めてお会いしてからそれなりの時間が経っていますが、ここまで詳しく伺ったのは初めてですね。佐川さんはENGLISH Lab.の何が良いと思われたのでしょうか?もちろん悪いと思われた点でも結構です。
学習法に共感していることがまず1点。そして、他と比較して最も優れている点は、講師兼アドバイザーの糸賀さんの存在です。
僕は、帰国子女や長期留学経験者でないと英語は上手くならないと諦めていました。ですが、糸賀さんと出会って、正しい訓練を積めば誰にでも可能性があるのだと励まされています。
本人の目の前で真顔でそんなことを言うとは(苦笑)
いや、糸賀さんご自身も帰国子女ではなく、英語圏での長期留学経験なども全くないと知って、その事実は僕にとってすごく大きな意味があったし、励まされましたよ。
自分と同じように中学1年まで英語に触れず、ABCから英語を始めて、苦労してきて今があるんだな、と。だからこそ、学習者へのアドバイスが的確で説得力があります。
日本で英語を学ぼうとする人の大部分は英語圏での長期滞在経験などないし、日本での生活があるので、今から海外留学などしている暇もありません。
確かにそうですね。
「日本で英語を学ぶ人は何をすべきか」については、帰国子女や長期留学経験者のような恵まれた環境下で英語を習得した人ではなく、日本で苦労した自分と同じ境遇の人に聞くのが一番だと、こちらに通った結果、感じています。
これは僕のささやかな経験から感じたことですが、英語スクールのカウンセラー、コンサルタント、アドバイザーを名乗る日本人たちは、帰国子女か留学経験があるか、もしくは反対に英語が上手でなかったりで、僕の状況を想像するのが難しいであろうと内心思っていました。彼らに付いて行って本当に良いのか、と。
なので、「同じ苦労をしてきた人に学べている」というのが安心であり、効果的だと考えています。
地道な努力のおかげでリスニングとスピーキングの進歩を実感
ありがとうございます。現在まで半年ほど受講されたわけですが、お仕事で英語を使われる場面で何か進歩を実感していますか?
まずリスニングが進歩して、外国人との電話会議の内容をほぼ聞き取れるようになりました。もちろん苦手なアクセントはありますが。
今までの会議では、聞き取れた単語と文脈から不足分を想像で補うような場面が多く、正直しんどかったです。聴くのが精いっぱいで、ほとんど発言できませんでした。最近は聴くことに割く労力が減った分、発言しやすくなりましたね。
スピーキングも自分の課題を特定できて、進歩を感じています。僕の課題は、なまじ知識があるが故に複雑な英作文の様な表現を思いつくものの、口頭でのスピード感では表現しきれず尻すぼみになることです。
それは佐川さんだけでなく、特にTOEIC800点台、900点台の受講生の皆さんに多く見られる傾向です。
はい。なので、今までこちらで継続してきたように、英語を話す場面では意識して表現をシンプルにしようと心掛けています。
私は佐川さんの英語をずっと聞かせていただいていますが、複雑な内容の英語をシンプルな表現に変換する力がとても優れていらっしゃると感じています。
大量のインプットと同時に、アウトプットのトレーニングには工夫が必要です。佐川さんは限られた学習時間の中で、しっかりポイントを押さえることができています。
現時点でもスクールに頼らず、お1人で学習を継続していくことができるレベルにあると思います。
スコアより「業務を円滑に行えるかどうか」
ところで、佐川さんは受講開始後、VERSANTやTOEICといったテストを一度も受けていませんよね。つまり、テストスコアのような客観的指標で伸びを確認していません。
こういったスコアの伸びで学習意欲を高める人もいらっしゃる中、佐川さんはどのようにして学習のモチベーションを確保しているんですか?
僕の場合、すでに英検やTOEICでそこそこのスコアがあり、スコア取得欲のようなものは満たされています。
それ以上に僕にとって大事なのは、英語を使って業務を円滑に行えるかどうか、です。こちらの方がはるかに重要というか、これさえできれば他はどうでもいいんです。テストマニアではないので。
もちろんスコアはないよりはあった方がいいとは思いますが、あまり関心がないですね。スコアよりも、業務の中で小さく感じるリスニングやスピーキングの成長に励まされています。正しい努力をしているという自信と安心を持ちつつ学習を継続できていますね。
業務が成立しさえすれば、他はどうでもいいというのは全く同感です。
ところで、少し話題が変わりますが、日本の英語教育や英語学習業界に対して何か思うことはありますか?どんなことでも結構です。
そうですね。僕の中学高校時代がそうだったんですが、英検3級の先生にどれだけの時間をかけて英語を学んでも、英語で上手にコミュニケーションを取れるようにはならないように思います。
できるようになる方法を知らない人が、できない人を再生産している、というのが現状ではないでしょうか。
英語学習のタイミングを前倒ししてもさほど効果はなく、「誰からどのように学ぶのか」が重要だと思いますね。
日本の英語教育にも良い部分はあります。現に、佐川さんは受験英語をがんばったからこそ、スピーキングを伸ばすための基礎力をお持ちなわけです。
受験英語で培った基礎力を最大限活かして、今後もスピーキング力を伸ばしていきましょう。
では最後に、何か言い残したことがあれば何でもおっしゃってください。
「あの人のように英語ができれば」と歯がゆい思いやストレスを感じているビジネスパーソンは少なからずいて、特に外資では多いように思います。
僕が受講した感想ですが、ENGLISH Lab.はある程度英語の基礎力がありながら、その先どう学習してよいのかがわからず、伸び悩んでいる人にはブレークスルーがあると思います。
たとえ海外生活経験がなくても、正しい訓練を継続すればきっと上手になる、国内でもやり方次第ではできると今は思っています。僕も国内で学習する者の一人なので、一緒に頑張りたいですね。
国内で英語をはじめとした外国語を学習する際の方法論について、少し話をさせてください。特に、よくあるネイティブとのフリートークをベースにした学習法について、です。
私自身、外国語学習歴は長く、英語・中国語・韓国語の3つの外国語については、「話せる」と言って良いレベルにあると思っています。
うち、中国語については留学経験があるものの、英語と韓国語は日本国内でのみ学習しました。ですので、国内で外国語を習得する方法については実体験からも理解しているつもりです。
3つの言語の比較しかできませんが、日本語を母語とする者の視点でそれぞれの言語の難易度を大雑把に言うと、「英語100、中国語10、韓国語1」で、英語が断トツで難しいです。韓国語は子音の存在感が大きい点が、日本語話者にとっては多少難しく感じるところですが、言語構造が日本語と非常に似ているため、正直かなり簡単です。英語と比較すると、それはもう、きわめて簡単です。その韓国語ですら、ネイティブとのフリートークのみの学習で韓国語能力を高めることは不可能です。韓国語ですら不可能なのですから、日本語を母国語もしくは第一言語とする人が、まともにインプットもせず、フリートークのみで英語ができるようになるなど無理です。
それでも日本では、外国語はそういった学習でこそ身に付くという、ある種の「信仰」が根強く残っているように思います。企業研修の場でもネイティブとのフリートークやロールプレイがいまだに多いようです。以前よりは外国語学習に対する誤解は解けてきているようですが、まだまだ残っていると感じています。
私が話しすぎてしまいました。佐川さんのインタビューなのに申し訳ないです。
いえいえ、なるほどな、と思いながら聞いてましたよ。今後もよろしくお願いします。
こちらこそよろしくお願いいたします。