ENGLISH LAB.代表の糸賀です。
「英語は好きでもないし、初心者レベル。だけど、仕事上の理由で、大人になってから英語を学ばないといけない」
こういった人は、たくさんいらっしゃるはずです。
仕事とは無関係でも、昔は全然興味がなかった英語を大人になってから勉強したいという人や、定年後の楽しみとして勉強したいという人もいらっしゃるかもしれません。
とはいえ、英語を長い間勉強しておらず、現在は初心者レベル。そんな大人の方々が、まずやることは「英文法」です。
本記事では、大人になって、初心者レベルから英語を勉強する方のために、勉強法やおすすめの参考書、英語学習に取り組む際に気をつけるべきことなどをご紹介します。
ぜひご覧ください。
- 英語の勉強をこれから始めたい社会人の方々
- 英語はまだ初心者レベルで、苦手意識もある
- 長年英語学習から遠ざかっている
- TOEICスコア350~500点
目次
【英語初心者レベルからの勉強法】何から学習すべきか
大人になって、初心者レベルから英語の勉強を始める場合、まずやるべきことは英文法の学習です。
英文法がある程度進んでから単語に進みます。
まずやることは英文法
英語を学ぶ際に、初心者レベルであれば、まずは文法の学習を優先すべきです。これは英語に限りません。他の外国語も同じです。
まずは文字の読み方や発音から始めますが、大人の方であれば、英語に関してはそれらは問題ないはずです。
「単語から始めるのではないのか」と思う人もいらっしゃるかもしれません。
ですが、単語をいくら覚えていっても、文法がわからなければ、読めない・聞けない・話せないという状態になってしまいます。
まず文法から始めて、文法学習の中で登場した単語を覚えていけば、初級レベルが終わるころには、相当な語彙力がついているはずです。
初心者レベルの英文法が終わるまでは文法に集中し、その中に出てきた単語をどんどん覚えていきましょう。
もちろん単語帳もやる
まずやることは文法ですが、初心者レベルの文法が終わったら、単語帳を使った学習にもぜひ取り組んでください。
語彙力が英語だけでなく、外国語学習において決定的に重要なのは言うまでもありません。
文法がある程度進んだら、単語帳も使っていきましょう。
音読にも取り組む
文法や単語だけでなく、音読にもぜひ取り組んでください。
ただし、音読を開始するのは、文法だけでなく単語もある程度進んでから始めるのが効果的です。
例えば、英文法の基礎が入っていない段階で英文を音読しても、文の意味が正確につかめないおそれがあります。
これでは音読の効果が激減してしまいます。
また、音読を始めるとしても、自分が読んでしっかり理解できる、意味を読み取れる英文を選択しましょう。
難しいものをやっても逆効果ですので、焦らずに進めてください。
反復することが大事
英文法の参考書を1回読んだ、単語帳を1回読んだ、それだけで終わらずに、必ず同じ参考書や単語帳を何周も反復してください。
反復の結果、単語帳であれば、どのページのどの単語を見ても、意味が瞬時に思い浮かぶ状態になることを目指しましょう。
英文法であれば、他人に説明・解説できるレベルにまで仕上がっていることが理想の状態です。
- 英文法から始める
- 英文法がある程度進んでから、単語帳も使う
- 英文法と単語がある程度進んだら、音読も始める
- 音読は、自分が読んで理解できる英文を選ぶ
- 参考書や教材は、必ず反復する
【大人の英語初心者の方向け】おすすめ参考書
全体像を確認したところで、おすすめの参考書のご紹介です。
英文法
英語初心者といっても、単に長らく英語から遠ざかっているだけで、文法は比較的得意な方もいます。
一方で、中学高校と英語を本当に勉強せず、ゼロからやり直したい、という方もいらっしゃるでしょう。
文法の理解度は人それぞれですので、ご自身のレベルにあった教材を選んでください。それを前提にご紹介します。
TOEIC関連
TOEICを目指す場合、TOEIC L&Rテスト 文法問題でる1000問がおすすめです。まずは書店などで、実際にでる1000問の中身を見て、「やれそうだ」と思ったらぜひ取り組んでください。
でる1000問の中身を読んでみて「難しい」と感じた場合には、TOEIC L&Rテスト 文法問題はじめの400問から始めても構いません。
他にもあります。
学生時代に英語を全く勉強していない、ほぼすべて忘れた、でる1000問も難しすぎるという方は、TOEIC(R) L&Rテスト 英文法 ゼロからスコアが稼げるドリルや同じシリーズの、続・TOEIC(R)L&Rテスト 英文法 ゼロからスコアが稼げるドリルもおすすめです。
TOEIC(R)テスト 中学英文法で600点!などでも良いでしょう。
繰り返しになりますが、書店などで実際に中身を見て、ご自身のレベルに合う教材から始めることが大切です。
TOEICに関心がなく本気で文法を学び直したい場合
個人的には、英語のハノンが一番のおすすめです。
英語のハノンは、単なる英文法のやり直し教材ではなく、「スピーキングのためのやりなおし英文法」の教材です。
TOEICに特化した内容ではなく、英文法の内容を網羅しています。
英語学習者であれば、ずっと使い続けることができる参考書です。
英語のハノンは初級・中級・上級・フレーズ編とありますが、初級を10~15周するだけでも、相当な力がつきます。
正統な文法書であり、スピーキングをする際に必要不可欠な瞬発力も身につけるように設計されている参考書です。
というわけで、英語のハノンが最良なのですが、実際に中身を読んでみて「難しい」、「無理」と思う人も、やはりいらっしゃると思います。
そんな時には、中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。や、高校英文法をひとつひとつわかりやすく。がおすすめです。
とにかく、見やすく、クセがなく、わかりやすい教材ですので、ストレスなく進めることができるでしょう。
その場合には、まずは中学英語、それが終わったら高校英文法へと進んでください。
単語
英文法の学習がある程度まで進んだら、単語帳を使って語彙力を強化しましょう。
TOEIC関連
仕事で英語を使う、または会社からTOEICで一定以上のスコアを取るよう言われている場合、やはりTOEICに絞った単語帳を使うのが良いでしょう。
単語も、文法と同じように、初心者といっても現在の語彙力がどの程度かは人それぞれです。
ですので、単語帳もご自身のレベルに本当に合ったものを使ってください。
TOEIC関連ですと、まずは書店でキクタンTOEIC(R) L&Rテスト SCORE 600の中身を見てみましょう。
キクタン600の中身を見て「難しすぎる」と感じた場合、キクタンTOEIC(R) L&Rテスト SCORE 500からスタートすることをおすすめします。
収録語数も448語と、1120語のキクタン600に比べれば圧倒的に少なく、その意味で非常にとっつきやすいはずです。
ただ、キクタン500には、キクタン600と重複する語がかなりあります。そこが注意点です。
ぜひ実際に手に取って見比べてみてください。
キクタン500と600のあとには、同じシリーズのキクタン800、キクタン990とあります。同じシリーズを継続してやり切れば、相当な語彙力がつくことは間違いありません。
というわけで、キクタンがおすすめなのですが、キクタンのような単語帳を「使いにくい」と感じる人もいます。
そういった学習者の方には、やはりこちらがおすすめです。
TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ
こちらの2冊もおすすめで、10周以上すれば、相当な語彙力がつくことは間違いありません。
基礎レベルに不安がある場合には、銀のフレーズから始めてください。
何周もして銀のフレーズが定着してきたら、金のフレーズに進みましょう。
基礎が最も大切ですので、無理はせず自分に適した単語帳を選んでください。
TOEICに関心がない場合
TOEICに関心がなく、単に英語を勉強したいだけ、という方にもキクタンシリーズの単語帳はおすすめです。
キクタンEntryや、キクタンBasicから始めるのが良いと思います。
こちらのシリーズにも、その後にもキクタンAdvanced、キクタンSuperと続編があります。
同じシリーズを進めることで、語彙力を強化し続けて行くことが可能です。
音読
文法と単語がある程度まで進んだら、音読を始めましょう。どの外国語を学ぶにしても、音読は王道の勉強法の1つです。
参考書は、英会話パワー音読トレーニングや、ビジネス英語パワー音読トレーニングなどがあり、他にもみるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニングなど、多くの教材があります。
TOEIC関連の音読教材もありますので、ご自身の目的にあった、かつ、興味を持てる参考書が良いですね。
音読も、単語や文法と同じように、自分のレベルに合った参考書を選んでください。
難しすぎず、簡単すぎず、適度な負荷がかかるものをおすすめします。
また、単に英語の文章が載っているだけでなく、「どのように音読を進めていけば効果的なのか」について、わかりやすい説明が書かれた教材がおすすめです。
学習の途中で、音読の進め方やその効果がわからなくなった際には、ぜひその説明を読み返してください。
「何から学習するか」より大切な5つのこと
勉強法はもちろん重要です。
ですが、正しい勉強法も、続けてこそ意味があります。
特に英語のようにゴールが見えないものを学ぶ際には、メンタル面や考え方が勉強法以上に重要です。
ここでは、英語初心者レベルから勉強をはじめる場合、特に重要になるポイントをご紹介します。
継続・習慣化
最も重要なのが、「学習を継続すること」です。これ以上に重要なことはありません。
英語は毎日コツコツ、そして年単位で続けることを目標にしてください。
勉強を開始した時期は、モチベーションが高いので毎日続くものです。
ですが、仕事など、何かをきっかけに勉強時間を思うように取れなくなる時期が必ず来ます。
次第に学習時間が減っていき、気がついたら全く勉強しなくなっている、というのは本当によくある話です。
ですので、まず3ヶ月続けることを目標にしてください。
学習時間を確保できない日は、1日30分だけでも結構ですので、毎日やりましょう。
3ヶ月間、毎日英語を勉強すると、勉強することが当たり前になります。英語に触れないことへの違和感が出てくるはずです。
この段階に来れば成功です。
3ヶ月続けた後は、半年続けることを目標にし、半年続けた後は1年を目標にしましょう。
1日の学習時間はそれほど多くなくても構いませんので、長期間に渡って英語の勉強を続けてください。
右肩上がりでは伸びないことを知っておく
英語だけでなく、語学は年単位の学習が必要になります。
そのため、すぐに結果を求めないようにすることも大切です。
結果を急ぎすぎると、焦りにつながり、最終的には挫折に至る可能性が高まります。
英語だけなく語学は、勉強していても「全然伸びているような気がしない」時期が必ずあります。
しかもかなり長い期間に渡って、です。
いつも「今まさに自分の英語力が伸びている」という実感はあり得ません。
そういった停滞感、伸びを感じない期間はどんな人にも必ずあるので、気になさらず、日々の学習を続けてください。
目標を明確にする
目標を具体的に決めましょう。
漠然と単に「英語が話せるようになりたい」といった漠然とした目標ではなく、具体的であればあるほど良いです。
例えば、「つたないながらも、外国人の同僚や上司と英語で仕事上の話ができるようになりたい」、「TOEICで900点を取りたい」などのほうが、「英語が話せるようになりたい」よりは具体的です。
目標がないまま、あいまいに英語の勉強を始めても、学習のつらさに耐えられず、誘惑などに負けてしまいます。
「こういった目的で英語を勉強する」という具体的な学習目標を立てることがおすすめです。
到達可能な短期目標を立てる
長期の目標も大切ですが、簡単に到達することができません。
なかなか目標に到達しないと、人間はつらくなり、勉強の挫折につながってしまいます。
挫折を防ぐためには、「がんばれば達成できそうな短期目標」を立てることがおすすめです。
例えば、現在TOEIC400点の方であれば、「3ヶ月後に500点以上を取る!」といったような目標です。
短期的な目標を立てて少しずつ達成していき、少しずつ上を目指していきましょう。
アウトプットの機会を確保する
英文法や単語、音読だけだと、必ず飽きがきます。
日々の基礎学習は本当に大切で、継続していく必要があるのですが、同時に外国人と英語で実際に会話をする機会を確保することを強くおすすめします。
オンライン英会話でも、外国人と英語で話ができるカフェでも、とにかく英語でコミュニケーションを取ってみましょう。
最初は全く通じないかもしれません。
ですが、「通じなかった」と落ち込むより、むしろ「今度はうまく話せるようになりたい」という気持ちのほうが強くなるはずです。
それが学習のモチベーションにつながっていきます。
英会話などのアウトプットの機会を確保することは、英語学習のモチベーションを保つうえで、とても重要です。
勉強法が正しく継続し続ければ大人の英語初心者でも遅くない
いま現在、英語初心者レベルの人が、一生懸命英語を勉強したところで、本当にビジネスで英語を使えるようになるのか、という疑問をお持ちになる人も多いはずです。
これに関しては、大人で、かつ、今は英語初心者レベルでも、ずっと勉強を継続しさえすれば、ある程度のレベルには達するというのが私の結論です。
「ある程度まで」と曖昧な回答をするのは、やはり個人差というものがあるためです。これは否定できません。
同じ努力と時間を費やしても、到達するレベルは人によって異なります。
ですが、どんな人でも継続さえできれば、確実に伸びていくことも、また事実です。
私は普段から、そして何年にも渡って、自分のスクールでTOEIC900点以上の生徒さんたちと一緒に勉強をしてきました。
ご自身の英語レベルに満足してはいないものの、仕事で英語をバリバリ使っている方々です。
そういった英語上級者レベルの生徒さんたちは、もともと「英語が好き、得意」というわけでは決してありません。
英語に苦手意識はあったけれど、仕事上の必要性からやむを得ず英語の勉強を始め、何年も続けているうちに今のレベルに到達した、という人が大多数です。
ですので、決して現在のレベルに不安があっても、遅すぎるということはありません。
- 遅くはない
- 継続できれば、TOEIC900点くらいなら超えられる
- もちろん個人差はある
- 何年も継続することと勉強の習慣作りが大切
まとめ
本記事のまとめです。
- まずやることは英文法
- 英文法の学習が進んでから単語学習や音読も始める
- 参考書は何周も繰り返す
- 継続が何より大事
- 目標設定を明確にする
- モチベーション維持のためにアウトプットの機会も確保する
- いま英語初心者レベルでも決して遅くはない
英語に限らず、何かを勉強し続けたいという気持ちがあるだけでも素晴らしいと思います。
私も皆さんと同じく、日本国内で英語を勉強してきた学習者であり、スクール経営者です。
継続さえできれば、必ず道は開けますので、ぜひがんばりましょう。