英語の発音には独特の音声変化があります。
その中でも日本人学習者が苦手なのが「リンキング(連結)」の聞き取りです。
リンキングを理解し、トレーニングを繰り返すことで聞き取ることはできます。
目次
リスニング上達には『リンキング』の聞き取りは不可欠
私は都内でビジネスパーソンのための英語スピーキング強化ジム「ENGLISH Lab.」を運営しています。
本記事は次のような学習者の方に向けて書いています。
・リスニングに苦手意識があり、発音も苦手
・英語の音声変化の1つ、「リンキング(連結)」について知りたい
それでは、見ていきましょう!
英語上級者をも苦しめるリンキング(連結)とは
私は日々マンツーマンで生徒さんとトレーニングを行っており、その中にはリスニングのトレーニングも含まれます。
トレーニングでは、どこが聞き取れていないのかを細かく分析していくのですが、聞き取れない部分はほぼ共通しています。
まず、当然ですが、知らない単語は聞き取れません。
そして、次に英語の音声変化は大部分の方が聞き取れません。
中でも、リンキング(連結)の箇所は聞き取れない人が非常に多いのです。
リンキング(連結)とは
TOEIC800点以上・900点以上の生徒さんをも苦しめるリンキングとは何か。
中学・高校時代、英語の授業中に一度は聞いたことがあると思いますが、
「前の単語と後ろの単語の音(子音と母音)がくっついて聞こえ、2つの語の間にあるはずの「間」が消えてしまう現象」
のことを言います。
と言ってもわかりにくいので、具体的に見ていきましょう。
- Can I use it?
- That's a good idea
- keep in touch
- come on in
- in accordance with
1から5はすべてリンキング(連結)する箇所があります。
どことどこがくっつくのかを考えながら、1から5を発音してみましょう。
以下のように発音できているか、確認してみましょう。
- Can I use it?(キャナイ ユーズィッ)
- That's a good idea(ザッツァ グダィディア)
- keep in touch(キーピンタッチ)
- come on in(カモン ニン)
- in accordance with(イナコ―ダンス ウィズ )
赤字で表記している子音と母音がリンキングが生じている部分です。
1であれば「n」と「I」がくっつきます。
4に至っては「m」と「onの"o"」、そして「onの"n"」と「inの"i"」がくっつき2つのリンキングが生じています。
日本語では単語を1つ1つ発音します。
それに慣れてしまっている日本語話者は英語も同じように聞こうとし、話そうとしてしまうのです。
フランス語や韓国語にもリンキングに近い現象があるので、フランス語話者や韓国語話者にとっては、
「単語と単語の音がつながる」英語のリンキングは非常に理解しやすい概念でしょう。
しかし、いかなる単語もくっつかず、単独で発音される日本語を母語とする私たちにとっては難しく、乗り越えなければいけない壁です。
リンキングを聞き取るためのトレーニング法
それでは、リンキングはどうしたら聞き取れるのか?
それは「自分自身がリンキングを自然に発音できるようになること」が1番の近道です。
自分が自然にできる発音は、ほぼ確実に聞き取れます。
リンキング攻略のためのおすすめ参考書
リンキングだけでなく、英語の音声変化について最もわかりやすく説明している参考書はこれでしょう。
日本人学習者が苦手な、英語の音声変化を分かりやすく解説しています。
練習問題も豊富なので、これを読み終えれば、英語の音声変化についてはひと通り理解できるでしょう。
また、こちらの記事でも英語の音声変化について簡潔にまとめています。是非ご覧になってください。
この本を使って、繰り返しリンキングの発音を模倣することが大事です。
何度も何度も、自然にリンキングの音を自分で再現できるまで練習してください。
リンキングの発音を当たり前のようにできるようになる頃には、リンキングの聞き取りも一気にできるようになるはずです。