リスニングのトレーニングとしては、シャドーイングがよく知られています。
シャドーイングだけでは物足りず、さらに上のレベルを目指す学習者のために、より負荷のかかるトレーニングをご紹介します。
目次
最強のトレーニング「リプロダクション」でリスニングを鍛える
私は港区浜松町でビジネスパーソンのための英語スピーキング強化ジム「ENGLISH Lab.」を運営しています。
生徒さんの大半は、外資系企業や日系大手企業で働くビジネスパーソンで、日々の業務で英語を使われています。
本記事は次のような学習者の方に向けて書いています。
・TOEIC750~990点(またはそれと同等の英語力)
・リスニングに苦手意識がある
それでは、見ていきましょう!
最強のリスニング練習法「リプロダクション」とは?
冒頭に書いたように、シャドーイングがリスニング強化法として広く知られるようになってきました。
私も、自身が主催するスピーキング強化ジム「ENGLISH Lab.」で、シャドーイングを基礎トレーニングとしてプログラムに組み入れています。
しかし、シャドーイングはそこまで負荷のかかるトレーニングではなく、実はさほど集中していなくても、こなせる人はこなせてしまう練習法です。
そのため、リスニング強化のために、シャドーイングに加えてもう1つのトレーニングを取り入れています。
それが「リプロダクション」です(ENGLISH Lab. では「リピーティング」と呼んでいます)。
「リプロダクション」の手順
では、リプロダクションとは、どのようなトレーニング法なのか?
手順は、いたってシンプルです。
まず、英文のスクリプトを見ないで、英語の音声を5~10語ほど(時にはそれ以上の語数)を流します。
そして、音声が止まります。
音声が止まってから、流れた音声を1語1語正確に、自分が聞き取ったまま再生する、というトレーニング法です。
例えば、
といった具合です。
簡単そうですが、これが意外に難しいのです。
具体的に何が鍛えられるのか?
リプロダクションはシャドーイング以上に難しく、上級者の方でも苦戦します。
まず、集中して1語1語を正確に聞き取る必要があります。
1つの単語も聞き落としてはいけないので、これだけでも簡単ではありません。
それに加えて、最低でも数秒間は、聞き取った音声を頭の中に正確に保持(リテンション)しておかなければなりません。
ここが難しいのです。
「音声が流れて、全部聞き取れたけれど、いざ再生する頃には単語が頭から抜け落ちてしまった」
というのは、リプロダクションの際に頻繁に起こる現象です。
リプロダクションをすることで、
- 1語1語を正確に聞き取る力
- それを数秒間保持する力(短期記憶)
が鍛えらえます。
また、音声だけを頼りに、主語と動詞、目的語、副詞節といった意味の切れ目を識別する感覚を磨くトレーニングでもあります。
リスニングトレーニングを支える強い味方
そうは言っても、市販教材にはリプロダクションの音源はついていません。
そのため、自分で取り組むにはハードルがかなり高いのは事実です。
ですが、リプロダクション音源を瞬時に作ることができる音声作成ソフトがあります。
それが『InsPause』という音声作成ソフトです。
InsPauseは、音声ファイルにポーズ(無音)を入れることができるソフトでどなたでも使えます。
すでにお持ちの音源を使ってリプロダクション音源を作りたい、という方はぜひ使ってみてください。