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英検1級はすごいのか?それとも「意味ない」のか?

英検1級合格者と日々一緒に勉強している実体験から本記事を書きました。

ひご覧ください。

【結論】英検1級はやはりすごい

英検1級は本当に「すごい」のか、取得しても「意味ない」のかについて本記事では解説します。

私は英語スピーキング強化スクール、ENGLISH LAB.を運営しています。

外資系企業や日系グローバル企業で日々英語を使って働く英語上級者の生徒さんと一緒にスピーキング強化の勉強をしています。

中には英検1級合格者の生徒さんもかなりの割合でいらっしゃいます。

「非帰国子女で留学経験も特にないが、日本国内で英語の勉強を頑張り英検1級に合格した」方々です。

そういったやや特殊な仕事上の立場や経験から「英検1級はすごい」と素直に思います。

絶対にTOEIC900点よりすごいです。

英検1級が「意味ない」と言われる理由

英検1級の受験を考えているとあるTOEICハイスコアの受講者(TOEIC900点ほど)から「英検1級は取得しても意味あるんでしょうか?」と聞かれたため、今回の記事を書こうと思いました。

その人は次のような理由から「英検1級は意味ないのでは?」と考えているようです。

就職や転職でアピールができる程度

医師、弁護士や公認会計士のように英検1級を持っているから何か仕事ができるというわけではない。

確かに英検1級を持っていても、就職や転職で「ああ、この人は英語得意なんだな」とアピールできる程度です。

でも、語学資格なんてせいぜいその程度のものではないでしょうか。

決して「ペラペラ」ではない

「英検1級=英語ペラペラ」ではないというのは正しいです(帰国子女などを除きます)。

英検1級取得者の中にも、すごくスピーキングが得意な人もいるし、ギリギリ受かったという人もいます。

ただ、ギリギリ英検1級に合格した、あまりスピーキングが得意でない人も、私が見る限り間違いなく高いポテンシャルをお持ちです。

英検1級の二次試験に合格した事実は伊達ではありません。

このまま勉強を続ければ、間違いなくスピーキング力はもっと伸びるという方々ばかりです。

実際にスピーキングの課題を出しても、TOEICのL&Rしか受験したことがないTOEIC高得点者より英検1級合格者のほうが流暢に話す割合がずっと高いです。

映画やドラマを字幕なしで完ぺきに理解できるわけではない

そりゃそうです。帰国子女じゃないので。

海外長期滞在経験がない日本の英語学習者で、自分が興味のない分野の映画やドラマを「字幕なしで完ぺきに理解」できる人ってどの程度いるんでしょうか。

自分が好きだったり知っていたり、多少の前提知識がある話題ならリスニングをしてもわかります。

特に知的レベルが高い人のインタビューやビジネスの話などはほぼ完ぺきに理解できます。

ですが、自分が関心がない、スラング混じりのドラマや洋画の英語を字幕なしで完ぺきに理解することはできません。

「できる」と言ったら嘘になります。

そもそも「英検1級=ドラマや洋画の英語を字幕なしで完ぺきに理解できる」ではないはずです。

英検公式サイト「各級の審査基準」を見ても、ドラマや映画を字幕なしで理解できるとは読み取れません。

英検1級のすごさ

英検1級合格者のすごさは具体的にどのような点なのでしょうか。

上述のとおり私は「非帰国子女で留学経験も特になく、日本国内で英語の勉強を頑張り英検1級に合格した」方々と一緒に勉強する機会に恵まれてきました。

経験上、TOEIC900点より確実に上だと感じています。

英検1級合格のすごさは次の3点です。

  1. 4技能の試験を突破
  2. 語彙力
  3. 地頭が良く謙虚で努力家

4技能の試験を突破

英検1級合格の一番のすごさです。

就職や転職の場面などでは、TOEICのL&Rが最も社会的に認知されている英語試験ですが、スピーキングとライティングの試験はありません。TOEICにもスピーキングとライティングの試験はありますが、メジャーになっていません。

スピーキングとライティングがない試験が社会で最も影響力を持っていることがおかしいのです。

リーディングとリスニングだけでなく、スピーキングとライティングの試験を突破してきた英検1級合格者の英語力は伊達ではありません。

現時点で「ペラペラ」でも「リスニングが完ぺき」でなくても、合格後も学習を続ければ伸び続けていくことは間違いありません。

語彙力

TOEICしか受験したことがない人であれば、たとえTOEIC満点でも英検1級の単語帳は知らない単語だらけのはずです。

「英検1級の単語帳はマニアックすぎる」「普段使わない」と批判する人もいますが、ニュースなどを聞いていると結構出てきますし、知的な人が話をするときには会話の中にも登場します。

語彙力はいくらあってもマイナスにはなりません。単語が1つわからないと、内容理解に大きな支障をきたします。

英検1級合格者は語彙力の点でも素晴らしいものがあります。

地頭が良く謙虚で努力家

全くの個人的感想ですが、今まで接してきた英検1級合格者は一人の例外もなく地頭が良く謙虚で努力家です。

日本で中学1年から英語学習をスタートし、日本の英語教育の弊害をまともに受けながら英検1級に合格するというのは、性格も大きく関係するのでしょう。

英検1級の単語帳を覚えたり、帰国子女でもないのにあのスピーキングやライティングの問題を突破するというのは、地頭が良くないと無理です。

その意味で英検1級合格者は、ご自身のお仕事の分野でも成果を残している、または残すポテンシャルを大いに秘めていると、個人的な経験から感じています。

英検1級とTOEIC900点の比較については【英検1級とTOEIC900を比較】どっちがレベルが高いのか? もご覧になってください。

また、英検1級合格の「その先」の勉強については、【英検1級合格でも話せない】その先は何をどう勉強すべき?をぜひご覧ください。