「英語上級者レベルに達したが、この先の勉強法がよくわからない」
この記事ではそんな壁にぶつかる英語上級者が知っておきたい勉強法を分野別にまとめました。
ぜひご覧ください。
目次
英語上級者の定義・レベル
そもそも「英語上級者」とはどのくらいのレベルなのか。
英語上級者の定義は様々ですが、ここではひとまずTOEIC900点台を「上級者」として話を進めさせていただきます。
「TOEIC900点台を目指すための勉強法」に関する情報は巷にあふれています。
しかし、「TOEIC900点を取ってからの勉強法」「TOEIC900からの勉強法」についての情報はさほど多くありません。
とは言え、
「留学から帰ってきたが、日本国内で英語力を更にアップさせたい」
「外資系企業で働きながらTOEIC900点以上を取得したけれど、今後どう勉強すればよいのかわからない」
そういった思いや悩みを抱える方も、数多くいらっしゃるはずです。
実際私が接している受講生の方々は、まさにそういった悩みを抱えています。
そこで、英語上級者が壁を打ち破り、超上級者となるための勉強法を各学習分野ごとにまとめてみました。
英語上級者向けリスニング教材と勉強法
英語上級者が日本国内で学習を続けて、さらにリスニング力をアップさせるには教材として使う音源の選定に注意が必要です。
英語上級者の目標は、
- ニュースやプレゼンなどネイティブのリアルな発話を聞いて苦労なく理解できるようになること
- ドラマなどネイティブ同士の普通の会話を聞き取れるようになること
などでしょう。
TOEIC900点以上の英語上級者がさらに勉強してこのレベルのリスニング力を獲得するには、リスニング学習にTOEICレベルの教材を使うのは避けたいところです。
「TOEICレベルの教材」というのは、日本人を含むノンネイティブ学習者向けに収録された音声を使用する教材のことです。
これらの教材の音声は明らかにノンネイティブである学習者のための配慮や心遣いが感じられ、ノンネイティブにとってわかりやすく、聞き取りやすくなるよう明瞭に発話してくれています。
ネイティブの本気の会話やディスカッションを聞き取れるようになろうとしている上級者にとって、こういったTOEICレベルの教材は役不足です。
英語上級者はナレーターの配慮が行き届いた教材は使わない
「ネイティブがネイティブ向けに話している音声」を聞き取れるようになるには、常日頃からそういったレベルの高い音声を丁寧に、そして大量に聞いていく必要があります。
具体的にはCNNやBBCのような英語ニュースや、英語インタビューやTED、ドラマや映画といった音源です。
イングリッシュジャーナル、CNN ENGLISH EXPRESS、CNN Student Newsもおすすめです。
3つとも定期的に良質な音源を提供してくれ、かつ、語彙の解説や背景知識の説明も充実しています。
イングリッシュジャーナル、CNN ENGLISH Expressの2つはニュースからインタビューまで幅広い分野の音源を聞くことができます。
注意点は内容が豊富で分量が多いため、1ページ目から最後まで完璧に使おうとしないことで、自分が興味を持てる部分だけ集中して何度も使えば十分でしょう。
単に聞き流すのではなくシャドーイングを
単に聞き流すのではなく、音源をシャドーイングしてリスニングを強化しましょう。
音源を数回聞いて終わりではなく、スクリプトを精読して語彙・文法の不明点を消し、その後何度もシャドーイングをします。
上級者がこれを年単位で根気強く継続していけば、リスニングは確実にアップします。
シャドーイングの具体的なやり方については、こちらの記事をぜひご覧ください。
リーディングは様々な分野の多読
ビジネスやニュースだけでなく、政治・経済・文化・テクノロジー・スポーツ・芸能に至るまで様々な分野の英語を毎日読むことをお勧めします。
英語上級者ですともちろん洋書もお勧めです。
ですが、語彙力が英検1級レベルはないと洋書を楽しむことは難しいかもしれません。
TOEICの単語は非常に平易なものが多く、語彙の難易度に限って言えば「英検1級 >英検準1級 >TOEIC」です。
ですので、洋書を読むには語彙力がまだ足りないとお感じになる場合には無理はせず、まずは英検1級の筆記試験に合格できるレベルの語彙力をつけていきましょう。
スピーキングは「パラフレージング」で強化
英語上級者のスピーキング強化にお勧めなのは、パラフレージングです。
自分の生徒さんにも実際に毎週取り組んでいただいている課題です。
以下のような手順で進めていきます。
- 市販の英語教材やニュースでいいので、自分が読んで理解できるレベルの長すぎない英文を用意する
- 英文を読んで、または聞いて内容を確認する
- その英文の内容を第三者に説明するつもりで「自分の言葉で」話す
パラフレージングは、一人でできる英語スピーキング上達トレーニングです。
より詳細で具体的なトレーニング方法については、こちらの記事をぜひご覧ください。
ちなみにですが「パラフレーズ」とは「言い換え」のことです。この「言い換え」の力を鍛えることはスピーキング上達において極めて重要です。なぜ「言い換え」が重要かについては、こちらの記事をぜひご覧ください。
パラフレージングの利点
オンライン英会話などでネイティブと実際に話す練習も織り交ぜてスピーキング力を伸ばしていくのが理想です。
しかし、実際の会話になると緊張してしまったり、ところどころ意味を理解できていないのにそれを放置したまま話を進めてしまうといったことがあるかと思います。
また、実際にリアルな話し相手がいないとスピーキングのトレーニングができないとなると、十分なスピーキング練習量を確保するという観点からも問題です。
その点、パラフレージングなら話し相手は不要、他人とアポイントを取る必要はありません。
「こういった表現はどの単語を使えばいいのか」という疑問があれば、即座に立ち止まりその場で調べることもできます。
一人で練習できるため間違いを恐れる必要もなく、何度でも間違えながら練習することができます。
そういった利点があるので、ぜひパラフレージングをスピーキング上達トレーニングとして取り入れてみてください。
こちらも年単位でコツコツと取り組めば、スピーキング力は確実にアップするでしょう。
ライティングはネイティブの模倣
ネイティブが書いた文章の模写がおすすめです。日本人が書いたものではなくネイティブが書いた文章です。
素材は以下2つの条件を満たすものを選びましょう。
- 内容的に興味が持てるもの
- 精読すれば完ぺきに理解できる英文
洋書でも結構ですし、洋書が難しい場合にはニュースやビジネス文書などでも結構です。
分野を問わず、ネイティブが書いた「こんな文章を書きたい」とご自身が思えるような英文を用意しましょう。
そして、用意した英文を読んでみて、その後何度か音読し、その後に模写しましょう。
1つの英文につき最低7回(毎日1回1週間)は模写しましょう。同じ文章を7回も模写すれば覚えてしまい、その英文の感覚、使われている語彙や文法が頭の中に叩き込まれます。
反復の利点はこの「特に覚えようとしなくても覚えてしまう」点です。
より詳細なライティング練習法についてはこちらの記事もご覧ください。
語彙力は英検1級レベルは欲しい
英検1級レベルの単語力・語彙力は、英語上級者として持っておきたいところです。
TOEIC900点以上でも英検1級の単語帳を見て難しいと感じるのであれば、先ほどご紹介した英検1級の単語帳に取り組むことをおすすめします。
「マニアックな単語が多い」と批判されることも多い英検1級の単語ですが、上述の通り、洋書や英文雑誌、英字新聞を楽しむためには必要不可欠です。
コンパクトにまとまっていて、同意語や反意語などもまとめて覚えることできるので、単語帳はやはり便利です。
また覚えきれていない単語をすぐに見返せるので、単語帳は効率の高い学習ツールです。
「知らない単語はすべて覚える」というスタンスはどのレベルに達しても変わりません。
単語帳以外でもご自分が使っている教材に知らない単語があればそれは確実に覚えていきましょう。
上級者の壁を超え超上級者に
英語上級者が超上級者になるために最も基本的で重要なことは、英語の勉強をやめないこと、続けることです。
苦しくなった時は今まで英語にかけた時間や費用を思い出しましょう。
英語上級者ともなると「ここでやめるのはもったいない」と思えるほど努力されてきたはずです。
できる範囲で少しずつ英語学習を続けていきましょう!