英検2級二次試験は面接です。
この記事では二次試験の流れ、問題構成、そしてスピーキングテストを乗り切るためのヒントをご紹介します。
ぜひご覧ください!
目次
英検2級二次試験 - 面接の流れ
英語スピーキング強化スクール ENGLISH LAB. です。今回は英検2級二次試験の面接についてご紹介します。
英検2級以上を持っていると大学受験でも有利なので、是非とも合格しておきたい受験者は多いでしょう。
まず面接の流れは以下の通りです。
1. あいさつと入室
指示に従い、「面接カード」を持って面接室に入ります。
面接委員に面接カードを渡す前にしっかりとあいさつをしましょう。
面接委員の指示に従って着席します。
面接委員:Please come in.
受験者:Hello.
面接委員:Can I have your card, please?
受験者:Yes. Here you are.
面接委員:Please have a seat.
受験者:Thank you.
2. 名前と受験級の確認
面接委員が受験者の氏名と受験級を確認します。
ここで非常に簡単な日常会話的な質疑応答が入ります。
面接委員:My name is Hideki Yamada. May I have your name, please?
受験者:My name is Yuki Takeda.
面接委員:All right, Ms. Takeda. This is the Grade 2 test, OK?
受験者:OK.
面接委員:Ms. Takeda, how are you today?
受験者:I'm fine. Thank you.
3. 「問題カード」の黙読&音読
面接委員から「問題カード」を受け取ります。
問題カードには60語ほどの英文が書かれています。その英文を20秒黙読するよう面接委員が指示します。
面接委員:Let's start the test. Here's your card.
受験者:Thank you.
面接委員:Please read the passage silently for 20 seconds.
(面接カードの英文を黙読します)
面接委員:All right. Please read it aloud.
(面接カードの英文を音読します)
カードを受け取る際、Thank youの一言を忘れないようにしましょう。
4. No.1~No.4の4つの質問に答える
問題カードの音読が終わると、面接委員からの4つの質問に答えます。
No.1は問題カードの英文に関する質問、No.2は問題カードの3コマ漫画についての質問です。No.2の質問に答える前に20秒の準備時間が与えられます。この時間を使って、どう英語で描写するのかを考えます。
No.2の質問が終了した後、問題カードを裏返すように指示されます。
No.3とNo.4は受験者自身の意見を問う質問で問題カードはありません。面接委員の目をしっかり見て質問に答えましょう。
面接委員:I'm going to ask you four questions. Are you ready?
受験者:Yes.
(No.1と2の質問、No.2の回答前に20秒間の準備時間あり)
面接委員:Ms. Takeda. please turn over the card and put it down.
(No.3と4の質問)
5. カード返却・退室
試験が終了したら面接委員に問題カードに返却し、退室です。
退室の前に面接委員に気持ちの良い挨拶をしましょう。
挨拶部分も採点対象です。
面接委員:All right, Ms. Takeda. This is the end of the test. Can I have the card back, please?
受験者:Here you are.
面接委員:Thank you. You can go now.
受験者:Thank you very much.
面接委員:Goodbye. Have a nice day.
受験者:Thank you. You too.
二次試験の問題構成と採点ポイント
採点の対象となるのは、以下の6つです。
音読
No.1の質問の前に問題カードの英文を音読します。
各単語の発音や強勢、抑揚、単語の読み落としがないか等、自然なリズムで英文を音読できるかをチェックされます。
No.1:問題カードの英文に関する質問
問題カードの英文に関する面接委員からの質問です。黙読や音読の際に文章の内容もしっかり頭に入れておきましょう。
質問はたいていHowかWhyで始まります。Howから始まる質問は、By...ingで答えるなど注意が必要です。
No.2 :3コマ漫画の描写問題
問題カードに書かれている3コマ漫画のイラストをそれぞれ2文程度で説明する問題です。
3コマのうち最初のコマは指定の文をそのまま読んで説明を開始します。最初のコマの説明が終わったら、矢印に書いてある時間の経過を表す語句で2コマ目を始めます。
同様に、2コマ目の説明が終わったら、3コマ目との間にある矢印に書いてある時間の経過を表す語句で3コマ目の説明を始めます。
イラスト内の状況、人物の心理などを説明します。
No.3 :受験者の意見を聞く問題
No.2が終わるとカードを裏返して置くよう面接委員の指示があります。
No.3とNo.4はカードなしの問題です。No.3はカードに関連性のある事柄に関して質問されます。
質問に対し自分のスタンスをYes/Noやagree/disagree等で示し、その後に2文で理由を述べましょう。
No.4 :受験者の意見を聞く問題
No.4はカードとは関連のないトピックについての質問です。
こちらも質問に対して自分のスタンスを明らかにし、2文でその理由を答えます。
アティチュード
二次試験では面接に臨む姿勢・態度も採点の対象です。
知識が足りなくても何とか必死に自分が知っている単語で相手に伝えようとしているかどうかが重要です。
また、コロナ対策として、受験者も面接委員もマスクをしながらアクリル板をはさんでの面接実施が予想されます。
面接委員に受験者の声がしっかり届くように話しましょう。少し大きめの声を出して回答したほうが安全です。
そして、カードを受け取る際にThank youと言うことや、退出時のあいさつなども忘れてはいけません。
どんな分野の質問をされるのか?
教育、テクノロジー、環境、メディア、マナー、ショッピング、健康・医療、ビジネス、国際化、コミュニケーション、ペットなど出題分野は多岐にわたります。
例えば、教育の分野であれば、「日本の学校は授業時間数を増やすべきだという言う人がいる。あなたはそれについてどう思うか?」といった質問はその一例です。
「スマートフォンを持つ子供たちが増えている。子供がスマートフォンを持つのは良い考えだと思うか?」という質問であれば、教育とテクノロジーの2つの分野にまたがる問題であると言えます。
No.3とNo.4では面接委員がこのような質問をするので、それを正確に聞き取り、そして自分の立場を明確にし、理由を2文程度で答えるのです。
No.3とNo.4を乗り切るコツ、ヒント
No.3とNo.4は、自分の本当の意見を言うより、英語にしやすい意見を答えとして述べたほうが安全です。
例えば、上記の「スマートフォンを持つ子供たちが増えている。子供がスマートフォンを持つのは良い考えだと思うか?」という質問について考えてみましょう。
自分の本当の意見として子供のスマホ所持が良くないことだと思っていても、「便利なので持った方がよい」という方が答えやすいのであれば、躊躇なくそちらで回答すべきです。
そして、2文で答えることが大切です。幼稚な答えでもいいので、2文で答えましょう。
スマホの質問であれば、「はい、そう思います(スタンスの表明)。なぜならスマートフォンがあれば、いつでも知りたいことを調べることができるからです(1文目)。その結果、子供たちは多くを学ぶことができます(2文目)」程度の幼稚な内容で構いません。
どうしても2文で答えられない場合には、1文でも構いません。無言よりは遥かに良いです。
テンプレ回答を用意しておく
No.3とNo.4は中学生や高校生が普段考えないような社会問題に関する質問です。ですので、英語がわからないというより、「日常的に考えていないことを質問に対し、どう答えていいかがわからない」という人が多いのではないでしょうか。
そういった社会問題について日頃から考えておくことは重要ですが、面接直前になって社会問題を勉強し直すことは時間的に無理があります。
ですので、No.3とNo.4の質問に少なくとも2文で答えらえるように、いろいろな質問に応用がきくテンプレ回答法を暗記してしまいましょう。
万能ではありませんが、3, 4割の質問に関してはテンプレで対応可能です。具体例を見ていきましょう。
「学びになる」「スキルを磨ける」系
英検2級の質問には「学びにつながる」「多くを学べる」という方向で答えられる質問が多数あります。
例えば、「学生はボランティア活動をすべきか」という質問に対し、「多くを学べる」という視点から答えを作ることが可能です。
(例) Do you think students should do volunteer activities?(学生がボランティア活動をすべきだと思うか?)
→ Yes, I think so. It's important for students to do volunteer activities. They can learn a lot from such activities.(はい、そう思います。ボランティア活動をすることは重要です。そういった活動から生徒たちは多くを学ぶことができます。)
ボランティア活動だけでなく、クラブ活動、英語、高齢者と接すること、留学、スマートフォンを使うこと等々。
どれも無関係のようですが、すべて「新しいことを学べる」「多くの知識を得ることができる」「視野を広げることができる」という視点から答えを作ることができる質問です。
この視点から非常に平易な単語を使って無難に2文を作ってしまえば、合格点は取れるでしょう。
「利便性」「経済合理性」系
「便利である」「時間やお金を節約することができる」という利便性や経済合理性を強調することで答えられる質問も、英検2級には多くあります。
(例) Do you think it is good to have a school uniform?(学校に制服は必要だと思うか?)
→ Yes, I think so. If you have a school uniform, you don't have to think about what to wear every morning. You can save a lot of time. (はい、そう思います。制服があれば、毎朝何を着るかを考える必要がありません。多くの時間を節約することができます。)
この回答パターンも、制服だけでなく様々な質問に応用できます。
電子辞書、SNS、スマートフォン、クレジットカード、オンラインショッピング、ファストファッション等々。
どれもそれを使うことで、時間やお金などを節約することができます。便利性や経済合理性を強調して答えを作ることもパターンの1つです。
過去問や面接対策本でシミュレーションをしておく
事前に過去問や面接対策本で問題パターンを確認しておきましょう。
多くの問題例や解答例に触れることで、どのように答えれば良いかがわかってきます。
1週間あれば対策可能ですので、ぜひ取り組んでみてください!