英語のスピーキングは市販の英語教材を工夫して使うことで鍛えることができます。
上級者であれば独学でできます。ぜひご覧ください。
目次
上級者なら一人でスピーキングの練習まで可能
英語スピーキング強化法と言えば、ネイティブとの英会話を思い浮かべる英語学習者の方が多いかと思います。
場数をこなすことで自然と英会話力も身についていくというイメージがあるのだと思います。
ネイティブとの会話は決してダメな方法ではありませんが、他にも英会話力を鍛える勉強法はあります。しかも、TOEIC850点~990点の英語上級者であれば市販教材を使って一人でできるスピーキング強化法です。
独学でできるので、市販教材を購入する費用を除けば他にお金はかかりません。「英語スクールにお金をかけたくない」という学習者はぜひ参考になさってください。
市販の英語教材をスピーキング教材として使う具体的手順
まず、どんな内容でも良いのでお手元に市販の英語学習教材をご用意ください。
書籍を開くとUNIT1, 2, 3…、Lesson1 ,2 ,3…のように各課に課題英文とそれに対応する日本語訳が掲載されているという構成になっているはずです。
①英文があり、②その日本語訳も載っていて、③リスニング音源がついているという3つの条件を満たしていれば教材として使うことができます。
それでは、UNIT1やLesson1など最初の課題英文のページを開いてください。どのように使うのかを見ていきましょう。
1. 単語(クイックレスポンス)
各UNITの音源を聞いたり英文を読む前にまずは単語の確認です。
どの教材にも課題英文のページに「ボキャブラリー」や「Words&Phrases」のように重要単語の意味が掲載されているはずです。まずはそこを確認します。
確認の方法は以下の通りです。
- 英単語を見てその日本語訳を瞬時に言えるか確認する
- 日本語訳を見てそれに対応する英単語を瞬時に言えるか確認する
すべての英単語についてこの2つができるまで英文には進まないようにしましょう。
2. 精読→音読
単語の後は精読です。課題となる英文を1文ずつ丁寧に読解していきます。
1文ずつ英文に目を通し、それに対応する日本語訳をいちいち確認します。注意深く正確に読み進めていきましょう。
英語上級者であれば、読解は問題なくできるはずです。精読の後に3, 4回全文を音読してみましょう。
3. シャドーイング
スピーキングの前にリスニング強化としてシャドーイングに取り組みます。
課題英文の音源を流し、聞こえてくるままに発声します。まずは課題英文のスクリプトを見ながらのシャドーイングで結構です。
- 課題英文のスクリプトを見ながらシャドーイング
- 1に慣れたらスクリプトを見ないで音だけに頼ってシャドーイング
この順序でシャドーイングは消化してください。
シャドーイングについてはこちらの記事もご覧ください。
4. サイトトランスレーション(日英変換)
次に英文ではなく日本語訳のページを開きます。
その日本語訳を1文ずつ英文に変換していきます。英文を見て和訳するのでなく、和訳を英文に変換します。
語順の違いや主語や動詞の選び方など日本語と英語の差異に注意を払いながら日本語全訳だけを見て英語全文がスラスラ言えるまで練習しましょう。知らない表現があればここですべて覚えます。
シャドーイングをこなしたことで英文の大半は頭に入っているはずですが、それでも日本語を英語に変換する作業はタフで時間がかかるはずです。
英語を日本語に変換する力は、英語上級者の大半はすでに持ち合わせています。しかし、日本語を英語に変換するのは苦手という方が多いのでないでしょうか。
スピーキングで問われるのは英語を日本語にする力ではなく、日本語を英語に変換する力のほうです。このトレーニングで日英変換の力を磨きましょう。
5. パラフレージング
最後にパラフレージングです。課題英文の内容やストーリーを第三者に説明するつもりで英語で話してみましょう。
1回、2回やって終わりではなく、10回20回と話しましょう。
慣れてきたら、毎回同じ単語や文法で話すのではなく、別の単語や文法に言い換えて話してみましょう。
課題英文を自分の言葉に変換して、ストーリーを再現することができれば満点です。
動詞を変えたり、主語を変えたりするだけでも構いません。なるべく自分が知っている英語に置き換えて話してみましょう。
パラフレージングの進め方についてはこちらの記事もご覧ください。
市販英語教材はほぼ全てスピーキング教材にできる
スピーキングだけ特別に教材を用意するのではなく、ごく普通の市販教材をここまで記したやり方で使えばスピーキング力は上達します。
特に「日本語を英語に変換する」トレーニングは、スピーキング強化にとって非常に効果的です。
日英同時通訳ができる人で英語が話せない人はいません。日本語を英語にできれば英語が話せないということは考えられません。
月単位ではなく年単位でしぶとく地道に進めましょう。お金はかかりませんので、ぜひ試してみてください。