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現在TOEIC600点でスピーキングを鍛えたい。

そのお気持ちはわかりますが、TOEIC600点でスピーキング強化に走るのは止めた方がいいです。

その理由と取り組むべき学習内容についてご紹介します。

TOEIC600点ならまだスピーキング強化に走るべきではない

TOEIC600点なのにスピーキング強化に走るべきではない。その理由もご紹介します。

多くの英語学習者にとって英語を学習する動機はTOEICの点数のためではなく、英語で流暢に会話ができるようになりたいから、もしくはその必要性があるからでしょう。

なので、現在のTOEICスコアは600点だけど、TOEICのスコアアップのための勉強ではなくスピーキングの勉強をしたい。そういう希望をお持ちの方も多いはずです。

しかし、お気持ちはわかりますが、TOEIC600点なのにスピーキングの学習に乗り出すのは絶対にやめた方がいいです。

現時点でTOEIC600点であれば、それに相応しいやるべき学習があります(この記事の最後をご覧ください)。スピーキング強化に費やす時間と労力を、本来取り組むべき学習に使ったほうが絶対にいいです。

英会話スクールにとんでもない費用を投じて、ネイティブ講師との英会話レッスンを繰り返すようなことは絶対に避けるべきです。

TOEIC600点の時点でスピーキング学習に時間を使うべきでない理由についてご説明します。

TOEIC600点のレベル感

TOEIC600点の時点でスピーキング強化に走るべきでない理由は、インプット量が圧倒的に不足しているからです。これに尽きます。

「インプット不足」とは語彙力をはじめとした英語の知識が圧倒的に足りないということです。

インプット量が不足した状態のTOEIC600点のレベルはどういったものなのかを考えてみましょう。

TOEIC600点だと読解力が十分でないレベル

TOEIC600点ですと、そもそもスピーディーかつ正確に英語の文章を読むことができません。つまり、読解力が一定水準に達していない。ここがポイントです。ふわふわと、雰囲気で読解しているだけで、「本当に理解できているのか」をこちらが細かく確認してみると正確に理解できていません。

読めていない原因が語彙力不足なのか、文構造が取れていないのかは人それぞれですが、とにかく英語の文章を速く正確に読むということができないのが、TOEIC600点レベルです。

「いや、自分は読めている」という人もいるかもしれませんが、読めていればTOEICのスコアが600点ではないはずです。もっとハイスコアを取れているでしょう。本当に読めるのであれば、TOEICのリーディングセクションで最低でも400点程度は取れていないとおかしいです。

TOEICのリーディングセクションで出題されるような平易な文章をスピーディーに処理できないということは、読解力が一定水準に達していないということを意味し、つまりそれはインプット不足を意味します。

読めないものは聞きとれない

「読めない」ということはその文章が音声として流れても「聞き取れない」ということです。

これは当然のことで、自分がスピーディーかつ正確に読解することができない文章が音声として流れたとき、その音声だけ突然正確に聞き取れるということは決してありません。

例えば、私が古文を勉強している学生だとしましょうそして、ここに平安時代に書かれた文章があるとします。私は古典の知識を駆使して多少は理解ができるものの、全体的な内容を理解することはできません。

もし、この文章が音声として流れたとき、私はその内容を理解できるでしょうか?

理解できるわけがないということは明らかです。

「正確に読解できていない英文が音声として流れたとき、聞き取れるわけがない」というのは、これとほぼ同じことです。

読めないものは絶対に話せない

そして、読めないものは絶対に話せません。

「話す」ということは、インプットではなく、自分で英語の知識を駆使して文章を組み立てる必要があるアウトプット作業です。英語の読解力が一定水準に達していない人、英文を読めていない人が「話すことだけはできる」ということはあり得ません。

上の平安時代の例で考えてみましょう。読んでもまともに理解できない。そのレベルの古典の知識で、同じような文章を「話す」ことができると考えるのは、やはりどう考えてもおかしいはずです。

英語も古文も同じようなものです。どちらも一定水準以上のインプット量をまず最初に獲得すべきです。

TOEIC600点のレベルですと、まずは単語をひたすら覚え、そして、文法・語法をしっかり身につけるべきです。精読と多読をあわせた長文読解もこなしましょう。

そういったインプット強化を地道に継続していると、いつしか英文が読めるようになってきます。しかも、徐々にスピーディーかつ正確に読めるようになってきます。

このレベルに達してからスピーキング強化を始めたほうが絶対に効率的です。遠回りのようで、近道です。TOEIC600点ほどのレベルでスピーキングを鍛えようとオンライン英会話ばかりこなしたりするのはとても非効率です。

TOEIC600点の学習者がスピーキング強化の代わりにすべきこと

では、TOEIC600点の学習者はスピーキングの代わりにどのような学習をすべきなのか?

まずはTOEICの学習を継続し、800点や900点を取りましょう。

すでに600点のスコアを持っている人であれば、特にスクールなどに通う必要はなく、市販の教材で独学でTOEICハイスコアに到達することは可能です。具体的な学習方法や教材については、こちらの記事を参考になさってください。

インプット量が一定水準以上に達していないと、TOEICで800点や900点といったハイスコアを取ることはできません。ハイスコアを目指してTOEICの勉強を継続すること自体が、スピーキングの土台となるインプット強化になります。

現在TOEIC600点であれば、スピーキング強化ではなく、まずはTOEIC800点や900点以上のスコアを目指しましょう。そして、そういったハイスコアを取れるようになってからスピーキングの強化を始めましょう。その方が効率的で近道です。がんばってください。