ENGLISH LAB.代表の糸賀です。
大学受験の英語は勉強法が非常に重要で、なかでも「何から、どんな順番で、いつまでにやるか」が勝負を決めます。
本記事では、大学受験英語の勉強法、特に「何から」「どんな順番で」の部分についてご紹介します。
ぜひご覧ください。
目次
【大学受験の英語勉強法】順番はこれ!
「何からどの順番でやるか」が大学受験の英語においては、非常に重要です。
この順番を誤ると、能力がある子でも上手くいかない結果になってしまいます。
以下の順番で勉強するのが鉄則です。
- 単語・熟語・文法(語法)
- 1がある程度固まってきたら、英文解釈に進む
- 2がある程度進んだ後に長文に取り組む
- 過去問対策に取り組む
それぞれのポイントについてご紹介します。
まずやることは単語・熟語・文法
大学受験では大多数の入試で、長文読解問題が大きな配点を占めます。
そのため、「まずは長文」と、いきなり長文読解問題に取り組もうとする受験生がいますが、これはやってはいけません。
大学受験の単語・熟語・文法がろくに頭に入っていない状態で、いきなり長文問題に取り組んでも成績は伸びません。
単語・熟語・文法が基礎、長文は応用にあたります。
基礎が全く入っていない状態で、応用に取り組むのは、英語に限らず、どの科目でも誤った順番です。
単語・熟語・文法に取り組んでいない状態なのに、長文問題ばかり解くような非効率な学習を続けていると、何より貴重な時間を浪費してしまいます。
非常にもったいないことです。
ですので、大学受験の英語の勉強を始めたばかりの頃は、学習時間の大部分(すべてでも良いです)を、単語・熟語・文法(語法)に充てましょう。
単語・熟語・文法は、受験が終わるまで続ける基礎学習です。
単語・熟語・文法が固まってきたら英文解釈に進む
単語・熟語・文法がある程度固まってきた段階で、英文解釈に進みます。
「英文解釈」とは、英文の構造を把握するトレーニングです。
英語が苦手な生徒にとっては、英文解釈が独学ではもっとも難しい部分になるかと思います。
語彙や文法がわかれば、大学受験レベルの英文がすぐに読めるわけではありません。
英文の構造を瞬時に読み取る力は、また別のトレーニングが必要になります。
この文構造を読み解く力を鍛えるのが英文解釈です。
具体的には、
- 文章のSVOCはどれか
- whenが出てきた場合、そのwhenは名詞節・関係副詞節・副詞節のどれなのか
- ifやwhetherは名詞節と副詞節があるが、どのように見分けるのか
- 等位接続詞andが1つの文章に複数出てきた場合、何と何を結んでいるのか、それはどのように見分けるのか
- 英文にthatが出てきた場合、そのthatは関係代名詞なのか、同格のthatなのか、名詞節のthatなのか
- 文中にdoingが出てきた場合、動名詞なのか、分詞なのか、分詞構文なのか
等々、書き続ければキリがありません。
英文解釈は、英文を精読する作業です。
精読しても内容が読み取れない英文は、当然ですが正確に速く読むことはできません。
そのため、大量の英文を速く正確に読み解く必要がある大学受験生にとっては、英文解釈は欠かせない学習です。
特に、英語に対する苦手意識がある受験生は、適当に英文を読んでいることが多いので、英文解釈には必ず取り組みましょう。
ちなみに、上記のような文法用語は、受験生にも親御さんにも不人気です。
しかし、英文をなんとなく雰囲気で読んでいるだけで、正確に読めていない生徒に対し、理屈で英文構造を説明する際、こうした文法用語はとても役に立ちます。
長文はいつからやるのか
単語・熟語・文法を反復しながら、英文解釈もある程度進んだ後で、はじめて長文に進みます。
長文問題集は、自分のレベルに合ったものから始めるのが良いでしょう。
1つの長文問題を一度解いて答え合わせをして終わり、という勉強方法はおすすめできません。
長文は、大雑把ですが、以下のようなサイクルで学習します。
- 知らない単語は意味を確認してすべて覚える
- 1文1文を精読して、意味を完ぺきに把握する
- パラグラフごとの要旨を確認する
- 長文を何度も何度も音読する
このくらいは最低でもこなしましょう。
長文は必ず音読しよう
音読は効果抜群です。
正しい方法で真面目に取り組めば、間違いなく効きます。
生徒たちにも必ず長文は、何度も音読し続けるよう勧めています。
個人的な体験ですが、私は中学1年から英文の音読を習慣にしていました。
定期テストの英文も含め、英語を勉強する際、ありとあらゆる英語の文章を繰り返し音読することが私の癖でした。
結果、高校3年の時には、英語に関してはほぼ無敵のレベルに到達していました。
模試の偏差値は常に80近辺で、大学入学後に受けたTOEICは945点でした。
これは私自身の体験談であり、また、音読だけでそこまでに到達したわけではありません。
ですが、音読の効果は間違いなくあったと、実感しています。
信じられない人は、3か月でいいので継続してみてください。
【おすすめしない順番】長文や過去問対策から始めてはいけない
ここまでに書いた順番であれば、まず間違いはないでしょう。
逆に、正しくない順番の最たるものが、長文読解や大学の過去問から始める勉強法です。
これだけは避けましょう。きわめて非効率です。
例えば、日本語を勉強している外国人の学生がいるとします。
しかし、読めるのはひらがなとカタカナのみで、漢字をまったく勉強していません。
にもかかわらず、その人が「日本文学全集」か何かを読もうとしていたら、誰でも驚くはずです。
その外国人学生に対し、「まず漢字を勉強しよう」とアドバイスすると思います。
この例えほど極端ではありませんが、英単語すら定着していない大学受験生が、大学受験用の長文問題集や、過去問から解き始めることに対しては、これに似た違和感があると思っていただいて結構です。
参考書は市販教材が最強
単語をはじめ、それぞれの学習分野の参考書を一部ですがご紹介します。
大型の書店なら、どこに行っても売っています。
Amazonなどで購入する前に、受験を控えた高校生は、まず自分の目で書籍のレベルが自分に合っているものかどうか、確かめた方が良いでしょう。
単語
ターゲット1900、システム英単語<5訂版>などが、大学受験で必ず押さえておかないレベルの単語帳です。
非常に能力が高く、かつ、英語が得意な生徒であれば、鉄緑会の鉄壁でも良いでしょう。
鉄壁は派生語が非常に丁寧にまとめられており、東大レベルを受験する生徒や、英語が得意な生徒にはおすすめです。
ですが、情報量が非常に多いため、それほど自信がない生徒は鉄壁は避け、ターゲットやシス単レベルのものにしましょう。
単語帳に限らず、教材を使うにあたって重要なことは、1冊を完ぺきにすることです。
単語の場合、「完ぺき」レベルになるまで、12周から15周程度はかかるはずです。
1冊を完ぺきにし、なお余裕がある受験生は、英検準1級パス単などの他の単語帳を使用しても良いでしょう。
準1級にはターゲットやパス単に未掲載の単語が多く、余裕がある子は覚えるべきです。
熟語
熟語はターゲット1000で十分です。これも完ぺきにしましょう。
文法・語法
VinatgeやNext Stageが良いでしょう。
Vintageを基本教材にして5〜7周程度終わった後に、Next Stageで応用が効くか試してみる、などの使用方法がおすすめです。
単語や熟語と同じように、1冊を完ぺきにすることが重要です。
どちらも語法問題も多数掲載しているので、単語や熟語といった語彙の定着も促してくれます。
英文解釈
読解のための英文法が面白いほどわかる本、基礎英文解釈の技術100、ポレポレ英文読解プロセス50、英文読解の透視図など様々な教材があります。
教材によってレベルが大きく異なるので、塾に頼らず独学で勉強する受験生は、必ず自分の目で中身を確認しましょう。
例えば、英文読解の透視図は、東大京大といった難関国公立を目指す受験生でも、絶対に最初に使ってはいけない教材です。
自分のレベルに合った教材からスタートし、その教材を極めたら、よりレベルの高い教材に取り組んでください。
長文
ポラリス、Rulesといった関正生先生の教材がおすすめです。
ポラリスは3冊、Rulesは4冊あり、レベル別に分かれています。
こちらも自分のレベルに合った教材から始め、徐々に使用教材のレベルを上げていきましょう。
英作文やリスニングも必要に応じて加える
志望校によっては、京大のように難解な英作文が課されたり、東大のようにリスニングが本試験に含まれることもあります。
過去問対策から始めてはいけませんが、自分の志望校や受験する大学の過去問を見て、どのような特徴がある問題なのかを確認しておくことは不可欠です。
上記の京大でしたら英作文対策は不可欠ですし、慶応経済なども同様です。上智はTEAP対策も必要になります。
それぞれの大学や学部によって、形式や出題内容に違いがあるため、出題内容や形式の確認は早めに済ませておきましょう。
本試験の出題内容に英作文やリスニングがあれば、英語の基礎力が固まった後に対策をします。
まとめ
本記事のまとめです。
- 大学受験の英語は勉強の順番が重要
- まずやることは単語・熟語・文法
- 単語・熟語・文法→英文解釈→長文の順に進めるのが基本
- 長文は「1回解いて終わり」ではなく何度も音読する
- 長文や過去問対策から始めてはいけない
- 参考書は市販教材で十分、自分のレベルに合ったものから使う
- 1冊を完ぺきにする(単語帳を最初から2冊同時に進めるなどの手法は避ける)
- 早い時期に志望大学の出題内容や形式を確認する
1人では無理だと思ったら、塾を使いましょう。
ENGLISH LAB.でも、大学受験対策について、学年を問わずいつでもご相談を受け付けています。
大学受験はどの科目も大変ですが、英語は近年、外部検定の導入など対策すべき内容が多様化しています。
とにかく受験勉強は、早めに開始しましょう。先手必勝です。
なかなか成績が上がらない時期があっても、勉強の方向性が正しければ問題ありません。
受験生のみなさん、がんばってください!