Eikaiwa Hacks

「話す」ための英語学習メディア

ENGLISH LAB.代表の糸賀です。

私は自分のスクールで、これまで数百人の生徒さんと一緒に、英語スピーキングを強化するトレーニングをしてきました。

本記事では、英語スピーキングを伸ばすコツを5つご紹介します。

・単語も文法も、かなり勉強した
・TOEICの点数も、ある程度取れるようになった
・英語の勉強には結構な時間を使ってきた
・でもスピーキングが伸びない
・スピーキング向上のための自分に合った学習法が知りたい
・今までの学習方法が間違っていないかどうか、確認したい

こういったお悩みがある人は、ぜひ本記事をご覧ください。

英語スピーキング力を効率的に伸ばすための5つのコツ

英語スピーキングのコツをご紹介する記事です。

英語スピーキングを伸ばすためには、「方向性が正しい努力をすること」が、何より重要です。

やみくもに練習するだけでは、効率良く成果は上がりません。

ここでは、スピーキング力を効率的に伸ばすためのコツをご紹介します。

とても基本的な話ですが、「方向性が正しい努力ができているかどうか」のチェックリストとして、確認してみてください。

毎日スピーキングの練習をしている

とても基本的な話で恐縮ですが、スピーキングは、とにかく毎日練習することが何より重要です。

「インプット量(知っている英語の量)は多いけれど、話すのが苦手」という人は、毎日スピーキングの練習ができていないだけかもしれません。

インプット量が多くても、その知識を実際に「使える」形に変えるためには、日々のアウトプットが不可欠です。

たとえ話し相手がいなくても、独り言英会話やロールプレイなどで、スピーキングの練習はできます。

1日数十分でも構いませんので、毎日話し、アウトプットの機会を増やしましょう。

勉強法(自主トレ法)を確立できている

自分に合った勉強法(自主トレ法)を確立することも、英語スピーキング力を効率的に伸ばすカギです。

効果的な自主トレ法があれば、無駄なくスピーキングの練習ができ、継続しやすくなります。

また、スピーキングの勉強法(自主トレ法)を確立できていると、毎日「どの練習をしよう」と悩む必要がなくなります。

自分に合った方法を見つけることで、モチベーションを保ちながら練習を進められるようになるはずです。

語学学習で成果を出している人は、独自のトレーニング法を持っています。

そして、それに従って日々練習を続けていることが、長期的なスピーキング力の向上につながっているのです。

アウトプットに偏らない学習ができている

スピーキングを上達させるには、アウトプットに偏らず、インプットもバランスよく行うことが大切です。

TOEIC800点、900点台で、ある程度のインプットがある英語学習者であっても、インプット強化は今後も絶対に必要です。

アメリカのニュースや、著名人のインタビューを英文で読んでみてください。

知らない単語や言い回しが登場するはずです。

また、知っている単語であっても、「こんな風には使えない」という用法が、数えきれないほど登場するはずです。

インプットがあってこそのアウトプットは、いくら上級者になっても変わりません。

アウトプットだけでなく、インプット強化も継続して行い、バランスの取れた学習を進めていきましょう。

英会話の機会を貪欲に求める

自主トレも欠かせませんが、やはりスピーキングを伸ばすためには、英会話の機会を貪欲に求めることが必要です。

英語で実際に話す場面を増やし、学んだ知識を使うことによって、より自然に、抵抗なく英語が話せるようになります。

インプットしたもの(知っている英語)を、アクティブな状態(使える英語)にするためには、実際の英会話の場面は、とても貴重です。

AI英会話アプリや、英語カフェ、英語を話す友人との会話など、英会話なら何でも結構です。

実際の会話を通じてスピーキングのスキルを効率よく伸びしていきましょう。

上達には時間がかかることを知っている

メンタル面の話になりますが、スピーキング上達には時間がかかることを知っていることも、とても大切です。

短期間で劇的なスピーキングの改善を期待することは、きわめて非現実的です。

非常に稀ですが、言語習得のスピードが異常なほど速い人は、たしかに存在します。そういった人に私も会ったことがあります。

ですが、それは例外中の例外で、自分がそれに当てはまる可能性はきわめて低い、と考えておくべきです。

言語習得には時間がかかります。この事実を認識している人ほど、長期的な視点で学習に取り組み、スピーキングが伸びていきます。

焦らずに続けることが、とても大切です。

英語スピーキングを効果的に伸ばす練習法

英語スピーキングのコツをご紹介する記事です。

ここでは、スピーキングを伸ばす自主トレ法をご紹介します。

独学でも可能な英語スピーキング練習法は、1つだけではありません。中には、難易度が高いものもあります。

ここでご紹介するのは、最も基本的な「1人でできる英語スピーキング練習法」です。

私がスクールで実際に生徒さんにご紹介している練習法、「通訳メソッド」をご紹介します。

自主トレ法は「通訳メソッド」がおすすめ

具体的な学習手順、練習を行う際に気をつけるところ、コツなどは、こちらの記事をぜひご覧ください。

「通訳メソッド」の特徴は、以下のとおりです。

「通訳メソッド」の特徴

1人でできる英語スピーキングの自主トレ(話し相手は要らない)
・通訳者のトレーニング法を「知っている英語の量は多いが、話すのは苦手」な学習者向けにアレンジ
市販教材で練習できる
・インプットとアウトプットをバランス良く伸ばすことができる
・スピーキングだけでなく、リスニングの強化にも適している
・1人でスピーキングを練習するので、何度間違えても大丈夫

英語スピーキングを伸ばしたいけれど、ネイティブと話したり、アプリやオンライン英会話、英会話スクールぐらいしか方法がわからない。

そんな方は、ぜひこちらの学習法を、自主トレ法として採用してください。

「通訳メソッド」で英語スピーキングの自主トレを年単位で継続することができれば、英語スピーキングの基礎は間違いなく強化されます。

また、アウトプットだけでなく、インプット量も増えていくので、英語力を総合的に、バランス良く伸ばすことが可能です。

記事を読んで、学習法を試すのにお金はかかりません。ぜひ一度試してみてください。

 「自己発信シート」で独り言英会話

市販教材を使った「通訳メソッド」でのスピーキング自主トレの他にも、おすすめなのが「自己発信シート」の作成です。

自分が英語で話したい、もしくは話すべき内容について、日本語で良いので、コツコツと書き上げていきます。

スピーキングのトピックリストのようなもので、目標は100トピック以上です。

書き上げた日本語は、ChatGPTなどで英語に変換します。

これを教材にし、独り言英会話で何度も練習します。

英語で話すことがある程度決まっている人には、特におすすめのスピーキング学習法です。

こういった地道な練習法も、英語スピーキングを強化するのに役立ちます。

英語を話すときのちょっとしたコツ3つ

英語スピーキングのコツをご紹介する記事です。

英語を話すときには、いくつかのポイントを押さえるだけで、スムーズに話せるようになることがあります。

スピーキングにまだ慣れていない英語学習者の方々でも、落ち着いて話せるようになるための「コツ」を知っておくことは重要です。

ここでは、3つだけですが、コツをご紹介します。

一本調子で話す必要はない

日本語で会話をする際、ニュース原稿を読むアナウンサーのように一本調子で喋る人は、いないはずです。

英語を話すときも同様です。必ずしも完璧に、一気に話す必要はありません。

一定のスピードで話し続けているほうが、むしろ不自然です。

むしろ、少し間をとったり、リズムを変えたりすることは、聞き手にとっても理解しやすくなります。

間を取りながら、リラックスして話すことで、自然な流れを作り出すことができるはずです。

この「一本調子で話す必要はない」というコツを意識することだけでも、英語を話すのがラクになります。

当てはまる人は、ぜひ意識してください。

特に動詞はなるべく簡単なものを使う

スピーキングの際、大学受験で覚えたような難しい単語で話す必要はありません。

特に、動詞です。動詞はなるべく簡単な、中学生でも知っているような単語を使いましょう。

例えば、次の3つの例文を見てみましょう。

例文

①I need to obtain permission before I use the room.
(私はその部屋を使う前に許可を得る必要がある)

②She acquired a new skill after taking the course.
(彼女はそのコースを受講して新しいスキルを身につけた)

③He procured the necessary materials for the project.
(彼はプロジェクトに必要な材料を調達した)

obtain, acquire, procureを、丁寧に使い分ける必要はありません。

すべて基本動詞getの系統です。

ですので、実際のスピーキングでは、動詞をgetに置き換え、以下のように話してもまったく問題ありません。

動詞は簡単に

①I need to get permission before I use the room.

(私はその部屋を使う前に許可を得る必要がある)

②She got a new skill after taking the course.

(彼女はそのコースを受講して新しいスキルを身につけた)

③He got the necessary materials for the project.

(彼はプロジェクトに必要な材料を調達した)

即時に反応することが求められるスピーキングでは、動詞を丁寧に分けている暇はありません。

同じように、次の例文の動詞を、1つの同じ基本動詞に言い換えてみましょう。

例文

She owns three houses in the city.
(彼女は市内に3つの家を所有している)

He possesses great leadership skills.
(彼は優れたリーダーシップのスキルを持っている)

She holds a degree in engineering.
(彼女は工学の学位を持っている)

ownやpossess、holdは、この文脈では基本動詞haveに置き換えても全く問題なく通じます。

このように同系統の動詞であれば、なるべく簡単な、中学生でも知っている基本動詞を使いましょう。

動詞の数はなるべく少なく、なるべく簡単なものを使う工夫も、スムーズに英語を話すコツの 1つです。

直訳を避けて簡単な表現を使う

直訳を避け、簡単な表現で言いたいことを伝えることも、英語スピーキングのコツです。

英語と日本語は、言語の構造に大きな違いがあります。

対の関係ではないので、日本語話者の発想をそのまま英語に変換すると、時には不自然に聞こえることがあります。

代わりに、直訳ではなく、伝えたいことの真意を、簡単な言葉で英語にすることが重要です。

3つの具体例を使って考えてみましょう。

伝えたいことの真意を、なるべく簡単な言葉で、英語にしてください。

真意をつかむ

①上司のパワハラがきつく、「もうやってられない」と伝えたい
②「偏差値が伸び悩んでいる」と伝えたい
③第1志望の大学に不合格だった生徒に「仕方ないよ」と伝えたい

①「もうやってられない」

「やってられない」の真意は、「この状況に耐えられない」ということです。

ですので、"I can't stand this situation anymore."や、"I can’t put up with this situation."とすれば、真意は相手に伝わります。

②「偏差値が伸び悩んでいる」

「偏差値が伸び悩んでいる」の「偏差値」に完全に対応する英語はありません。

「伸び悩んでいる」の直訳も、きわめて難しいはずです。

代わりに、近い概念を使って、状況を英語で説明します。

伝えたいことの真意は、「成績が良くならない、改善しない」ということですので、以下のような英語が適切です。

"My test scores haven't improved."や、"My test scores haven't gone up."とすると、真意は相手に伝わります。

③「仕方ないよ」

この場面での「仕方ない」の真意は、「(生きていれば)こういったことは、起こるものだ」ということです。

ですので、"Don't worry, things like this happen."で十分です。

このように、直訳を避け、シンプルでわかりやすい英語を使うことで、相手に正確な意図が伝わりやすくなります。

英語スピーキングの重要なコツの1つです。

こういった「言い換え」については、こちらの記事も、ぜひご覧ください。

AI英会話アプリや英語カフェを徹底活用する

英語スピーキングのコツをご紹介する記事です。

ここまでご紹介した、スピーキングの自主トレは、とても重要です。

ですが、リアルな対話スキルを磨くことも、それと同じくらい重要です。楽しく効率的に身につけましょう。

AI英会話アプリ

英語学習アプリの中でも、AIを活用した英会話アプリは、日常生活の中でリアルタイムに英語力を伸ばすことができる素晴らしいツールです。

ここでは、「スピークバディ」、「スピーク」、「ELSA Speak」といった具体的なサービスをご紹介します。

スピークバディ

スピークバディは、英会話の練習に特化したアプリです。AIが会話の相手を務めてくれます。

様々なシチュエーションやトピックを選んで練習できるので、実際の会話に近い体験をすることが可能です。

自分のスピーキング力を定期的に評価し、苦手な部分をフィードバックしてくれる機能もあるため、効率的に改善点を把握できます。

スピーク

スピークは、カジュアルな英会話アプリで、短時間で気軽に英語を話すことができます。

特に、実際のネイティブスピーカーとのやり取りをAIで再現してくれるので、現実の英会話とほぼ同じ環境で練習ができます。

日常的なフレーズを中心に、初級者でも始めやすい点が特徴ですね。

ELSA Speak

ELSA Speakは、発音矯正に特化したアプリです。

AIが発音を細かく分析し、どこを改善すべきかについて、具体的にアドバイスしてくれます。

英語の発音が苦手な人や、発音をよりネイティブに近づけたい人には最適のアプリです。

これらのAI英会話アプリを活用することで、自宅でもどこでも、本格的な英語の練習ができるようになりました。

課金タイミングに気をつけながら、まずは無料で利用できる範囲で試してみるのがおすすめです。

ChatGPTの音声機能を徹底活用

ChatGPTの音声対話機能では、人間並みの会話が可能です。

凄まじい機能で、英会話トレーニングだけでなく、ChatGPTが対応している言語の学習に革命をもたらすことは、間違いありません。

ChatGPTの音声機能が、より一般に浸透すれば、英語や他の言語の学習が、よりリアルで素晴らしい体験になることは確実です。

「学習者にとって非常に役立つ」という言葉では形容できないほどだと思います。

英語カフェで実際に人と話す

アプリだけでなく、実際に人と話す機会を作ることも、やはり大切です。

英語カフェは特におすすめで、リアルタイムでのコミュニケーションスキルを伸ばす絶好の場所だと思います。

アプリがあまりに素晴らしいので、最初は気が進まないかもしれません。

ですが、ぞれでもやはり本物の会話を通じて、モチベーションにしてください。

メンタル面でのコツ

メンタル面にも、英語スピーキングのコツはあります。完璧主義を捨てることは、特に重要です。

能力が同じ人であっても、完璧主義でミスをこわがる学習者と、そうでない学習者との間には、英語を話す能力に大きな差が出てしまいます。

ミスが怖い人には、まずはAI英会話アプリの使用がおすすめです。

しばらくアプリを使って継続して英語を話し、完璧主義を捨ててしまいましょう。

ジャック・アタリの度胸を見習う

知の最前線という英語インタビュー集に、アルジェリア生まれのフランス人、ジャック・アタリ氏の英語インタビューが収録されています。

フランスで大統領顧問を務め、欧州復興開発銀行の総裁など、要職を歴任した人物です。

アタリ氏の英語は、文法的に間違いがとても多く、驚きます。それでも、本人が気にしている様子は、まったくありません。

英語インタビューとしては勉強になりませんが、あの度胸は見習うべきです。

もちろん、アタリ氏には他の能力や経験があるからこそ、要職を歴任したことはわかっています。当然です。

ですが、それを差し引いても、あの英語であそこまで堂々としているメンタルは、謙虚な日本の英語学習者にとっては、良い刺激になります。

まとめ

本記事のまとめです。

まとめ

・英語スピーキングを伸ばすためには、短時間であっても、毎日の練習が不可欠
・効果的な自主トレ法を確立することで、無駄なくスピーキングの練習ができる
・アウトプットとインプットをバランスよく行うことで、「知っている」を「使える」に変える
・動詞は簡単なものを使うなど、目的を持ちながら勉強する
・AI英会話やリアルな会話で、英会話の機会も貪欲に求める
・焦らず、長期的な視点で練習を継続する

たとえ国内のみの学習であっても、スピーキングのコツを押さえ、学習をしっかり続ければ、スピーキングは必ず上達します

こちらは、そういった学習のコツを押さえ、スピーキング力を伸ばした生徒さんの事例です。

本記事でご紹介したような、スピーキングのコツを意識しながら、学習を進めてください。

ツールはたくさんありますが、スピーキング力を向上させる特効薬はありません。

成果は少しずつしか現れませんので、根気強く、地道に継続していきましょう!