なぜ「not at all」の発音は、「ナラロー」になるのか?
英語のリスニングで難しいのが、音声変化。
「なぜそう発音するのか」という理屈をわかっておくだけでも、確実にプラスになります。
英語の発音にはコツがある
英語スピーキング強化スクール ENGLISH LAB. です。
英語のリスニングを難しくしている「音声変化」については、以前にもご紹介しました。
音声変化のルールを知っておくだけで、「なぜそんな発音になるのか」がよくわかります。
例えば、"not at all" を、ネイティブが発音すると「ナラロー」に近い音になるのは、多くの方がご存知のはずです。
それがなぜなのかを、分析していきましょう。
複数の音声変化が同時発生するとリスニングが一気に難化
"not at all"は、5つの音声変化の中のリエゾンと、はじき音という2つの音声変化が同時に発生しています。
まず、前と後ろの単語の音がくっつくリエゾンが起こります(リエゾンは「リンキング」や「連結」とも呼ばれます)。
・an apple(アナップル)
・am I(アマイ)
・Can I use it?(キャナイ ユーズィッ)
・That's a good idea(ザッツァ グダイディア)
"not at all"に当てはめてみると、notのtとatのaがくっつき、atのtとallのaがつながっています。これが第1段階です。
ですが、これだけだと、発音は「ナタトー」のような発音になるはずです。
ここに、はじき音という音声変化が加わります。
・water(ウォーラー)
・letter(レラー)
・better(ベラー)
リンキングした後の"not at all"に当てはめて考えてみましょう。まずnotのtが、2つの母音に挟まれています。atのtも、両側を母音に挟まれています。
2つのtが、それぞれ母音に挟まれているので、どちらも日本語のラ行のような発音に変化してしまうのです。結果、"not at all"は、「ナタトー」ではなく「ナラロー」のような発音になります。
このように、発音は無秩序に変化しているのではなく、音声変化にも一定のルールがあります。そのルールを知ることで、発音が改善し、その結果としてリスニング力アップにつながっていきます。
ルールを知ることが大切です。
発音のコツを知り再現できると、リスニングも上達
「自分で発音を再現できると、聞き取れる確率がグッと高まる」というのが、リスニングにおける大原則です。
なので、「なぜこの英文が、こういう発音になるのかがわからない」と感じたことがある方は、音声変化について知っておいてください。ざっと知っておく、というレベルで結構です。
そして、それが理解できたら、次は何度も事あるごとに発音をマネしてください。
何度かご紹介していますが、音声変化のルールを知る上で、こちらの書籍はお勧めです。
繰り返しになりますが、発音のルールを知り、何度も模倣し、自分でも再現できるようにする。
それがリスニング上達につながります。