ENGLISH LAB.代表の糸賀です。
英語中級者が上級者のレベルに達するにはどんな勉強をすべきか?
この記事では中級者が上級者になるために知っておくべきことをリストアップしました。ぜひご覧ください。
目次
「英語中級者」とはどのくらいレベルか
英語中級者にはさまざまな定義づけが可能ですが、ここではひとまずTOEIC600点台・英検2級以上とさせていただきます。
こういった中級者の方々がTOEIC850点以上・英検準1級以上の上級者レベルに達するには、どのような勉強をすればよいのか?
学習上の注意点や強化すべき分野ごとに学習マップを見ていきましょう。
勉強法には注意が必要 - 中級者の学習はあくまでインプットを中心に
中級者が上級者を目指す段階でスピーキングをはじめとした「アウトプット」のみの学習に走るのは危険だということです。
英語中級者は英語の知識(インプット)が上級者と比べると大きく不足しています。インプットが不足している段階でアウトプットのトレーニングばかりしていても英語力は伸びません。
例えば、語彙力が不足しているのに、ネイティブとの英会話の練習ばかりするような学習方法です。これは決しておすすめできません。
英語に限らず外国語学習はまずはインプット強化です。これは第二言語習得の分野で既に確立されている原則です。この「インプットファースト」の原則を無視しては、せっかく上達するものもしなくなってしまいます。
ですので、中級者の段階では徹底したインプット強化をしましょう。スピーキングの練習をしたい気持ちを抑えて、すべての学習時間をインプットに充ててもよいほどです。
英語中級者が上級者になるために学習すべきポイント
中級者の段階では次の3つの分野を集中強化します。
- 単語・熟語
- 文法・語法
- リスニング
それでは上級者となるための強化ポイントを分野別に見ていきましょう。
単語・熟語
英語で読む・聞く・書く・話すのいずれを目指す場合でも、最低でも英検準1級レベルの単語・熟語力は身に付けておきたいところです。知っていて、かつ、運用できるレベルにしておく必要があります。
語彙の難易度に関しては、英検準1級>TOEICです。TOEIC+英検準1級の語彙力の習得を目指しましょう。
単語・熟語はクイックレスポンスできるように
英単語は日本語訳を覚えるだけではその単語を運用するには不十分です。少なくとも、英語→日本語と日本語→英語の変換が瞬時にできる(クイックレスポンス)まで覚えていきます。
英単語の意味がわかるだけでなく、日本語訳を見てそれに対応する英単語を瞬時に言うことができるようになるまで覚えましょう。単語帳を使って勉強する場合、このレベルに達するには最低でも数十回の反復が必要です。
文法・語法
TOEIC対策の文法問題に取り組んでも良いですが、長期的な視点で考えると、TOEICよりも大学受験の文法・語法問題集に一定期間真剣に取り組むことをお勧めします。
大学受験で学ぶ文法・語法は、TOEICと比較しても覚えるべき知識量が圧倒的に多く、またそれらの知識には英語を実際に運用するうえで決定的に重要なものがたくさん含まれています。
TOEIC900点台の方々を見ると、単に語彙力が豊富なだけでなく、この大学受験レベルの文法・語法の知識が豊富で、かつ、それらの知識の定着度合いが非常にしっかりしていると感じます。
逆に数年間海外生活経験があるのに英語が全く話せない方もいらっしゃいます。こういった方は、ほぼ例外なく大学受験レベルの文法・語法知識が不足しています。
付帯状況の”with A done”、知覚動詞、目的語に動名詞を取るのか不定詞を取るのか、動名詞の意味上の主語、仮主語や仮目的語のit 等々、項目を挙げればキリがありません。
「話すうえでは役に立たない」と批判されることが多い大学受験英語ですが、英語を読む・書く・聞く・話す全ての点で必要な知識の宝庫です。この部分の知識が曖昧だと感じる方は、ぜひ大学受験用の文法・語法問題集を1冊購入し、真剣に取り組んでみてください。
リスニング強化はディクテーションとシャドーイング
リスニングは、ディクテーションとシャドーイングの2つの組み合わせで強化しましょう。市販の教材を用意し、ディクテーション→シャドーイングの順で音源を使った勉強に取り組んでいきましょう。
ディクテーション
ディクテーションは、自分が聞いたことがない音源を数回流し、音を止めることなく、聞き取れたすべての単語を書き取るトレーニングです。リスニング強化法としてはすでにかなりメジャーなトレーニングとなっています。
一語一語を正確に聞き取り、書きとる練習なので、自分がどの部分を聞き取れていないのかが可視化されます。そして、聞き取れなかった原因が、単純にその単語を知らなかったからなのか、自分が知っている単語なのに聞き取れなかったのか、知っているのに聞き取れなかったのはなぜなのか等、原因について考えることができます。
何度もディクテーションをやっているとわかりますが、自分が苦手な単語というのは大体決まっています。まずは聞き取れない原因をしっかりと分析するために日々ディクテーションをしましょう。やり方については、こちらもぜひ参考にしてください。
シャドーイング
ディクテーションをして聞き取れなかった箇所を確認したら、今度はその音源を使ってシャドーイングをします。特にディクテーションの際に聞き取れなかった箇所は、うまく発音できるようになるまで何度もシャドーイングしましょう。
一度や二度シャドーイングをして終わり、ではなく、数日間同じ音源を使うことが重要です。英文を見ないでスラスラシャドーイングできるまで何度もシャドーイングしましょう。
シャドーイングのやり方についてはこちらの記事もぜひご覧ください。
ディクテーションやシャドーイングで使う音源
CNN ENGLISH EXPRESSのようなスピードが速い音源がお勧めです。
CNN ENGLISH EXPRESSには毎号基礎編として「CNNニュース・ダイジェスト」という短めのニュース音源が収録されています。基礎編とはいえスピードはネイティブがネイティブ向けに話すスピードで、中級者のリスニング強化には最適です。
普段からこのレベルの音源を聞いていると、リスニングに対する心理的なハードルが下がり、TOEICのリスニング問題などは少し遅いと感じるものですので、こういった生の音源がオススメです。
まとめ
次の3つの分野を集中強化しましょう。スピーキングのようなアウトプットは、TOEICなら850点、英検準1級に到達してからで全く問題ありません。
- 単語・熟語
- 文法・語法
- リスニング
遠い目標のようですが、頑張れば十分に達成可能です。社会人の方にとっては学習時間をどう確保するかという方が大きな問題になるかと思います。