ENGLISH LAB.代表の糸賀です。
私はこれまで、数多くの英検1級合格者の生徒さんと一緒に、スピーキングのトレーニングをしていきました。
本記事では、英検1級が「人生変わる」と言えるほどの魅力を持つのか、特に、収入増やキャリアアップにつながる資格なのかどうか、についてご紹介します。
英検1級は収入増を直接保証するものではありません。
ですが、キャリアアップや転職の武器として強力です。
ぜひご覧ください。
目次
英検1級が評価される理由
英検1級が評価されるのは、単に「高い英語力の証明になる」という理由だけではありません。
英検1級を取得するのに必要な、努力を継続する力、課題を解決する能力、そして多様な状況に対応できる柔軟性が評価されるのだと、私は考えています。
英検1級取得が示す「粘り強さと目標達成力」の証明
英検1級取得は、英語力だけでなく、継続的に努力ができる力の証明になります。
難易度が高いのは、TOEIC900点台も同じですが、どちらの試験にも精通している人から見れば、英検1級合格者のほうがTOEIC900点台の人より上、という印象です。
英検1級は準備がとにかく大変で、TOEIC900点のほうが断然ラクです。
英検1級に合格した人の多くは、試験準備のために綿密に学習計画を練り、かつ、その達成に向けて粘り強く取り組んだ人です。
このプロセス自体が、評価対象となります。
英検1級は、粘り強さ、そして立てた目標を達成する力を証明する資格だと言えます。
高い語彙力と論理的思考力の証明
「粘り強さと目標達成力」の証明だけではありません。
単純な英語力だけでも、英検1級は高い評価にふさわしい資格です。
英検1級の語彙問題の難易度の高さは、TOEICとは比較になりません。
また、スピーキングやライティングでは、抽象的なテーマや時事についての語彙力も必要になります。
また、英検1級に合格するには、論理的思考力も欠かせません。
例えば、2次試験の面接では、「環境問題の解決策」など、複雑なテーマについて議論することが必要です。
英語で話し、英語で質疑応答に対応しなければなりません。
これが、知的労働に求められるスキルと一致します。
非論理的なスピーチや回答をする人は、合格できない資格です。
これらの特性が評価される英検1級ですが、具体的にどのような形で、キャリアアップや収入増の助けになるのかを見ていきましょう。
英検1級が収入増に役に立つ理由
「英検1級があれば収入増」ではありません。ですが、英検1級は収入増のきっかけになりえます。
収入アップのきっかけになるとして、それが「人生が変わる」ほどアップするのかは、気になるところです。
英検1級が収入増の可能性を広げる理由について、見ていきましょう。
外資系企業への転職が有利になる
英検1級は外資系企業への転職を目指す際、武器になります。
ただ、言うまでもありませんが、「英検1級を持っている=転職できる」では決してありません。
英語力以外に考慮すべき資質は、山ほどあるはずです。実務能力が大前提でしょう。当然です。
また、外資系企業といっても、すべてのポジションで英語力が必須なわけでもありません。
ですが、高い英語力が必須条件のポジションの場合、英検1級は差別化要因になります。
事実、求人情報には、「英検1級保持者歓迎」という記載が含まれる求人が見られます。TOEICスコアだけの場合と比べると、スピーキングやライティング、さらには語彙力の面で有利です。
人によっては、転職が上手くいけば、「人生が変わる」ほどの収入増につながるかもしれません。
社内昇進や海外プロジェクトへの起用
転職だけでなく、英検1級は、現在の職場で昇進したり、海外関連のプロジェクトに選ばれるきっかけにもなります。
英検1級を取得することで、社内の国際的な業務に対応できる人物として評価されやすくなるはずです。少なくとも、持っていない場合よりは、ずっと有利でしょう。
このような経緯で、現在の会社で昇進といった場合でも、収入増につながるはずです。
教育分野での活躍
英検1級は、教育分野においても強力なアピールポイントになります。特に、英語講師です。
英語の先生といっても、実は英検1級まで取得している人は少ないのが現実です。
英検1級を持っていれば、講師としての信頼度は一気に上がります。講師経験がある人は、より一層信頼されます。
特に、近年の大学受験では、英検の重要性が高まっています。
英検1級の資格取得者は、比較的容易に生徒や保護者からの信頼を勝ち取れるはずです。
転職、社内でのステップアップ、そして教育分野での活躍のどれを取っても、英検1級単体では不十分です。
あくまで、他のスキルや経験と組み合わせてアピールすることで価値が生まれます。ですが、そのアピールの仕方やタイミング次第で、英検1級は、収入増につながる強力な補強材料になり得ます。
次は、英検1級を取得後、収入増につながる可能性が最も高いルートを見ていきましょう。
「人生変わる」のは外資系企業への転職&社内でのキャリアアップ
英検1級を取得しただけでは、収入やキャリアに直接つながらないことも、もちろんあります。
当然のことで、英検1級の資格を資格を上手く使わなくてはいけません。
上手く活用できれば、転職市場や職場での評価を高めることができるはずです。
実務能力を徹底して磨く
英検1級に加えて、実務で必要な専門スキルを学ぶことで、資格の価値を高めることができます。
英検1級の資格が、実務能力や経験と結びつけば、大きな付加価値になり得ます。
みなさんが専門とされている分野で、まずは着実に実績をつみあげ、そこに語学力として英検1級を加えるのは、良い戦略になります。
外資系企業か大手日系企業に転職
実務経験を積み、英検1級も取得し、待遇の良い外資系企業や大手日系企業に転職をする。
これが最もよくある英検1級の活用法だと、個人的には思います。
私自身、こういったルートでキャリアアップを果たした生徒さんに何人もお会いしています。
みなさん、大変そうなお仕事をされていましたが、同時にやりがいがあり、待遇もとても良さそうでした。
今いる会社で国際的な業務に携わる
転職せず、現在の会社で英検1級をキャリアアップに活かすというのも現実的な選択肢です。
新しい環境というリスクも少なく、やりがいのある国際的な業務にかかわる、というのも、十分に現実的な選択肢です。
「英語を使うチームに移りたい」、「社内で面白そうな仕事があるが、英語力がネックになっている」というご相談は、よく受けます。
英検1級なら希少で、高い英語力の証明になり、キャリアアップの助けとなるはずです。
英検1級取得者の平均年収は高い
実務能力を高めた人が、英検1級という高い英語力を加えて、社内で出世したり、転職に成功したりするというケースが多いのでしょう。
事実、日本英語検定協会による調査、英語力とQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の関係性調査結果によると、英検1級取得者の平均年収は高いようです。
日本英語検定協会の調査では、50代男性の英検1級取得者の平均年収が約1,114万円と報告されています。
「人生が変わる」のは収入面だけではない
英検1級がもたらすのは、収入増加だけではありません。
資格取得の過程やその後の活用が、自己成長や人生全般にポジティブな変化をもたらす可能性があります。
金銭的なメリット以上に重要な側面です。
自己肯定感と自信の向上
「難関資格を突破した自分」に対する自信が生まれます。
例えば、TOEIC900点より英検1級のほうが、「成し遂げた自分」、「できる自分」を実感できるでしょう。
難易度が高く、かつ、合格までのプロセスも長いためです。
語学に限らず、その後のキャリアや生活でも積極的な行動を取れる強い自信が得られるはずです。
グローバルな視野での情報収集能力が向上
英検1級合格には、強力な語彙力が必要です。
試験を突破する過程で、読解力もリスニング力も、自然と上がり、国際的なニュースや事象を理解する力も向上します。
海外就職への道を開く
英検1級は、海外就職への一歩になりえます。
英検1級を条件にしている海外求人は非常に少ないと思いますが、英検1級取得者であれば、TOEFLやIELTSの受験に対しても抵抗はないはずです。
そして、TOEFLやIELTSに必死に取り組めば、ハイスコアを取れる可能性も非常に高いです。
英検1級に合格し、かつ、若ければ日本を飛び出す、そして良い待遇や刺激を求めて海外で働くという選択肢も、十分にアリです。
高いスキルを持っていても、英語がネックで海外に出られない人はたくさんいます。
そんな中、英検1級合格者であれば、語学面でのポテンシャルは十分クリア、さらに磨きをかけることで、自分の市場価値を高めることが可能です。
まとめ
本記事のまとめです。
・英検1級は収入増を直接保証するものではないが、強力な補強材料になる得る
・外資系企業への転職や、社内でのキャリアアップにより、人によっては収入増につながる
・英検1級取得者の平均年収は高い
・海外就職など人生が大きく変わるきっかけにもなる
・英検1級を「どう活かすか」が大切、上手く使えば飛躍につながる
こちらの記事では、英検1級に合格するためのスケジュールや、2次試験対策について解説しています。ぜひご覧ください。
英検1級は、努力を積み重ねた証で、キャリアや収入の可能性を広げます。
資格を活用し、次のステップに進む一助にしてください!