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「話す」ための英語学習メディア

ENGLISH LAB.代表の糸賀です。

英語上級者が抱える伸び悩みについての記事です。

「TOEIC900点以上あるけど上手く英語を話せない」という悩みです。

本記事はそういった方に向けて書いたものです。ぜひご覧ください。

 

伸び悩みを感じる英語上級者にお伝えしたいこと

「伸び悩み」を感じる英語上級者にお伝えしたい3つのこと

TOEICでコンスタントに900点を超えるような英語上級者の中にも、伸び悩みを感じている方はとても多くいらっしゃいます。

「英語上級者」とは、ここでは英語圏長期滞在経験がないのにTOEIC900点以上、どんなに低くても800点台後半の英語学習者のことを指します。

英語上級者の「伸び悩み」とは、「TOEICを受験すれば高点数(900点~990点)を取れる。業務などで英文を読むことにも特別苦労しない。でも、いざ英語で会話をする場面になると言葉が全然出てこない。スピーキングが苦手」といったものです。

こうした「スコアは高いけれど英会話は苦手」という悩みを抱える英語上級者は日本国内にも多く、私は実際にこれまでそういった英語上級者の方々と1対1で接してきました。

そのような壁にぶつかる英語上級者の方にお伝えしたいことは次の5点です。

お伝えしたい5つの点
  1. TOEIC900点は「英語学習における第2のスタート地点」だと改めて認識する
  2. 伸び悩みを解消するには学習法と使用教材を大きく変える必要がある
  3. TOEICは卒業する
  4. たとえ細くても長く英語学習を続ける(数ヶ月単位ではなく年単位で英語学習を考える)
  5. インプットをおろそかにしない

1つずつ見ていきましょう。

伸び悩みを抱える英語上級者と1対1で接してきた経験から言えること

私は、これまで実際に伸び悩みを感じる英語上級者とマンツーマンで接してきました。

「TOEIC900点以上の英語学習者とマンツーマンで一緒に勉強してきた英語講師」というのはかなり珍しく、国内にはあまり多くいないのではないかと自分でも思います。

その経験からお伝えしたいことは次の5点です。

ポイント①:TOEIC900点は「英語学習における第2のスタート地点」だと認識する

偉そうに聞こえたら申し訳ありませんが、TOEIC900点以上は世間が思うほど英語上級者ではありません。

それは900点以上のスコアを持っている人ならよくおわかりだと思います。

日本で特別な英語教育を受けたわけではない、英語圏での長期滞在経験もない、ごく普通に中学1年から英語学習を始めて大学受験をした。

にもかかわらず、TOEIC900点以上取得できる人の数は、日本の人口全体から見れば非常に限られたものでしょう。

ですので、世間から「英語ができる人」扱いされると思いますが、それは世間の認識が間違っているだけです。

日本国内では英語上級者かもしれませんが、世界的な視点で見ればTOEIC900など初級を終えた程度です。

900点以上の取得者であれば、こんな話は言われなくてもわかっているに違いありませんが、改めてTOEIC900点以上のスコアは「英語学習における2番目のスタート地点」くらいに認識しておくことはやはり重要です。

TOEIC900点以上を取得しても無意味だと言っているわけでは全くありません。今後の英語学習においては非常に大きな意味があります

ポイント②:学習法と使用教材を大きく変える必要がある

日本の大学受験やTOEICなどは、英文を読んだり聞いたりして、その内容に合致する選択肢を選ぶという試験形式が主流です。

英文のリーディングやリスニングの問題は、誰かが作った英文を読んだり聞いたりするだけです。

そこで試されるのは「英語→日本語」の回路です。自分で英語の文章を作る作業は含まれません。

しかし、スピーキングのようなアウトプットの場面で試されるのは、瞬時に英文を作り出す能力です。

英語上級者の悩みというのは、ほぼ「スピーキングが苦手」というものです。

大学受験やTOEICのような誰かが作った英文を読む、または聞く学習を継続していることが英語上級者の「伸び悩み」の大きな原因であり、瞬時に英文を作り出す「日本語→英語」の回路を鍛える学習法に今すぐにでも切り替えるべきです。

TOEIC900点を超える英語上級者は、英文を読んで内容に合致する選択肢を選ぶような勉強法は捨て、「日本語→英語」回路を鍛える学習法を始めましょう。

上級者に見合った学習法を確立することが何より重要です。

伸び悩みを感じる英語上級者が取り組むべき学習法や教材については、こちらの記事もぜひご覧ください。

また、スピーキングには言い換えスキルが欠かせません。

「日本の英語教育を受けたのに英語が話せる人」が無意識に行っている言い換え力を強化しましょう。

スピーキングだけでなく、リスニングやライティング、語彙についてはこちらの記事をご覧ください。

英語上級者向けスクールは、コース受講後の自走をお手伝いすることが何より重要です。

ポイント③:TOEICは卒業する

上のポイント②に関連することですが、TOEICで900点以上を取ったらTOEICは卒業しましょう。

「卒業」というのは、「TOEICのスコアアップのためだけの学習はしない」ということです。

いわゆるTOEIC対策問題集などをたくさん解いてスコアアップをはかるような学習が典型例になります。

以前、私の友人のドイツ人が「日本人がみんなTOEICについて話しているから試しに1回受けてみたら、信じられないくらい簡単で驚いた」と話していました。

この発言からもわかる通り、そもそもTOEICは受験者の英語レベルが「グローバルな視点で『上級』かどうか」を判定できるテストではないのです。

TOEICはリスニングもリーディングも問題レベルが低く、英語上級者の学習目標としては適切ではありません。

例えば、920点を持っている人が990点を取るために更にTOEIC対策の学習を継続するようなことは不毛です。その時間をもっとハイレベルな英語や学習法に費やすべきです。

920点が990点になっても何かが大きく変わるわけではありません。

具体的には、860点をひとつの目安にして、TOEICは卒業しましょう。

こちらの参考記事もぜひご覧ください。

ポイント④:たとえ細くても長く英語学習を続ける

言うまでもなく、英語の勉強を数ヶ月必死に頑張った程度で「英語はもう勉強しなくてよい」というレベルに達するということは絶対にありません。

数ヶ月がんばってTOEICのスコアが上昇したり、VERSANTのスコアが上昇するということは十分にあり得ます。

しかし、それは「もう英語の勉強をしなくてよい」ということを意味するものではありません。

現時点でTOEIC900点以上の英語上級者であっても、流暢に英会話ができるまでは英語学習を長期間継続する必要があります。

数ヶ月がんばって伸びないから落ち込むのではなく、1年、2年といった年単位のスパンで地道に学習を継続することが欠かせません。

1日30分でも日々継続すると1年後、2年後にはとても大きな力になります。

早く成果を求める気持ちは非常によく理解できますが、甘くはないのが現実です。

精神論になりますが、継続して取り組む気迫や、固い決意がある程度必要になってきます。

ポイント⑤:インプットをおろそかにしない

どんなに英語上級者になろうともインプットは重要です。

知らない単語や言い回しは地道に覚え続けましょう。

「TOEIC900点以上取ったら、あとは英会話などアウトプットのトレーニングを積むだけ」という趣旨の話を受講生の方からよく聞きますが、全くの誤解です。

こういった都市伝説的な思い込みが、英語上級者の伸び悩みにつながっているように思います。

もちろんアウトプットのトレーニングは重要で否定するわけではありません。

ですが、私は学習法や使用教材だけでなくインプット軽視も英語上級者が伸び悩みに直面する大きな要因の1つだと考えています。

TOEIC900点だろうと990点であろうと覚えることはまだまだ山のようにあります。

「伸び悩み」を乗り越えようとする上級者は英語が本当に必要な人

まとめです。
まとめ
  • TOEIC900点は第2のスタート地点
  • 学習法と使用教材を変える
  • TOEICは卒業する
  • 細く長く学習を続ける
  • インプットを重視し続ける

「そこまで頑張れない」という人は、おそらく英語が差し迫って必要な人ではないのだと思います。

「英語が話せたらいいな」くらいですと、ここまでは頑張れませんし、頑張る必要も全くないと思います。

正直、多くの日本人にとって、英語など話せなくても何の問題もありません。

しかし、世の中には英語を業務上使用せざるを得ない状況にあり、「英語力を伸ばさなくては」という本物の危機感を持っている方々が確実にいらっしゃいます。

外資系企業などにお勤めの方は特にそういった方が多く、すでにTOEIC900点以上を持っていて、そこからさらに伸ばしたいけれども伸び悩んでいらっしゃる方が多いように感じます。

地道に努力を続けている私の生徒さんで、スピーキングテストVERSANTのスコアが64点にまで伸びた方がいます。

しかるべき学習法をコツコツ続けていけば、こうなるんだという良い事例ですので、ぜひ参考になさってください。

この記事はそのような状況にある方のために書いたものです。学習法と使用教材を変え、細くても長く学習を継続していきましょう!