中高一貫校に合格した。入学前に英語の先取り学習をさせるべきか?
そう悩む親御さんは多いと思いますし、私自身もそうでした。
結論から申し上げると英語の先取り学習はさせるべきです。
目次
中高一貫校入学前に英語の先取り学習はやっておくべき
中学受験を無事終えて中高一貫校に進学することになった。わが子はこれまでに特別な英語教育を受けたことはなく、英語は中学入学後に初めて習う。
英語の早期学習が盛んとはいえ、そういったお子さんの方がまだまだ多いでしょう。中高一貫校に通う私の2人の子供もそうでした。
そのような場合、「受験を終えたばかりだけど、中学入学前に英語の先取り学習をさせるべきかどうか?」と悩む親御さんは多いようです。
お子さん本人が嫌がるのであればその気持ちを尊重すべきです。
ですが、現役の中高一貫校の生徒たちに英語を教える立場として、できれば英語の先取り学習はさせたほうが良いというのが率直な意見です。
中高一貫校入学前に英語先取りをすべき理由
以前は私も「英語は中学に入学してからでいい」と考えていましたが、考えが変わりました。
入学前に英語の先取りをすべき理由をみていきましょう。
とにかく進度が速い
学校にもよりますが、一般的に中高一貫校での英語の学習進度はとても速いです。驚くほどの速さです。
中学2年の終わりまでに通常3年間で習う範囲を終えてしまう学校というのも珍しくありません。
「そこまで急ぐか」と思うほど速いです。
言うまでもありませんが、進度が速いということは時間をかけて1つの内容に取り組むことができないということです。
学校で初めて習うより、先取りをして1回でもどこかで勉強してことがある内容だと子どもたちの負担は軽減され、精神的にも楽になります。
中学受験の高偏差値は当てにならない
中学受験で偏差値が60以上あろうが70以上あろうが、英語でつまづく子は必ず出ます。
「うちの子なら大丈夫」と甘く見ていると痛い目に遭う可能性大です。脅しのようで恐縮ですが、現実にそういった子はたくさんいます。
いわゆる御三家クラスの学校に入学する子でも、一度わからなくなると、どこまでもわからなくなっていきます。
英語が苦手になるとデメリットが大きい
英語は大学受験の主要科目です。
文系理系や国公立私立を問わず基本的には向き合わなければならない科目です。
逃げることはできない科目で、おまけに大学受験における英語の配点は高めです。
例えば慶応大学法学部の入試は、英語200点満点・歴史科目100点満点・小論文100点満点です。
英語の配点が他の2科目の倍もあるのは何とも不思議で、理由はよくわかりません。ですが、これが現実です。
英語の配点が2倍とまではいかなくても、他科目より高めという大学・学部は数多くあります。
英語が苦手になるとデメリットが大きい問題に関しては、こちらの記事もご覧ください。
やり直しには時間がかかる
中高一貫校に入学してから英語の勉強を始め、最初のうちは何とか良い成績をキープできた。しかし、中学2年から徐々に成績が下がり始め、気が付いたら苦手科目になっていた。
これはよくあるパターンで、まさに私の娘がこれに当てはまります。
中1の成績はまずまずでしたが、中2の1学期でガタっと成績が下がりました。本当に一気に下降しました。
本人に相談され、私も「このままいくと非常にマズい」と感じたため直接教えることにしました。
結果、中3で英語の成績は持ちなおし、現在は上位グループには入ることができています。
英語に限りませんが、成績というのは落ちる時は急激に落ちるものです。
娘の英語の成績は、まだ中学2年だったからこそ比較的簡単に持ち直したものの、これが高校生になってからの立て直しだとかなり時間がかかったでしょう。
高校生になってからの英語やり直しは、中学生のうちのやり直しに比べて時間がかかります。
最も良いシナリオは、英語の成績が下がる前から手を打っておくことです。または、成績が下がった場合に、すぐに対策を打つことです。
中高一貫校で英語が苦手科目になってしまった中学2年生の復活劇については、こちらの記事をぜひ参考になさってください。
高校1年で英検準1級に合格した生徒した、こちらの記事もぜひご覧ください。
英語の先取り学習はしておくべきですが、たとえしなくても中2くらいであれば、十分に持ち直すことは可能です。
英語先取り学習の成果を見てみましょう
英語の先取り学習をした子の成績表を見てきましょう。
都内の私立中高一貫校に通う中学1年生のものです。
英語の成績だけは上位をキープ
下の表は、その子の中学1年 ①1学期中間テスト, ②1学期期末テスト, ③2学期中間テスト, ④2学期期末テスト、計4回分のテスト成績です。
小さい字で恐縮ですが、一番下の欄が英語2科目の点数・平均点・順位になります。
中学1年の途中で参考程度とはいえ、英語2科目は上位をキープしています。
1学期の中間テスト成績(左から点数, 平均点, 順位)
1学期の期末テスト成績(左から点数, 平均点, 順位, 1学期評定)
2学期の中間テスト成績(左から点数, 平均点, 順位)
2学期の期末テスト成績(左から点数, 平均点, 順位)
中学受験が終わってから中高一貫校に入学するまでに少し時間が空きます。
このお子さんとはその頃から必ず毎週1回、一緒に英語の先取り学習をしてきました。
もう少し良い点数を取れるとは思いますが、まずまず上位をキープしており、ご本人も自信を持っているようです。このまま継続していけば、つまづくことなく大学受験を迎えることができるでしょう。
中2・中3でつまづきそうなポイントについては、早めの時期に、丁寧に、ゆっくりと説明していくつもりです。
それさえやっていれば、英語に関してはまず問題なく伸びていくでしょう。
上の成績表のお子さんが通う中高一貫校も英語の学習進度が非常に速く、上の成績表の「平均点」欄を見るとわかりますが、平均点は60点台ばかりで、中には50点台もあり、英語で苦戦している子がいかに多いかがわかります。
先取り学習は大学受験の好結果につながる
まとめです。
- 中高一貫校は英語の学習進度がとても速い
- 「中学受験で高偏差値=英語もできる」とは限らない
- 英語は大学受験の主要科目で配点も高め
- 英語のやり直しには時間がかかる
長い目で考えると先取り学習はしておくべきです。
中学受験で疲れ切ったという方も、大学受験を見据えた長期的な視点で英語の先取り学習を考えてみることをおすすめします。
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