「中高一貫校に通うわが子のレベルに合った英語教材を探そう」
そんな親御さんがまず探し当てるのが「ハイステージ英語」シリーズ。
でも本当に自習用教材として使えるのか?本記事には実際に使っている者としての意見を書いてみました。
ご参考になれば幸いです。
Contents
「中高一貫 ハイステージ英語」シリーズはとても優れた参考書
開成中学・高校の先生が書いたという中高一貫 ハイステージ英語シリーズ。
1~3まで計3冊あります。
さすが開成の先生が書かれた教材だけあって、細かな、しかし重要な知識までしっかりと網羅されています。
内容的にとても優れているので、実際に私も中高一貫校に通う一部の生徒たちには、こちらの参考書を使用しています。
演習問題の量がやや少ないものの、そのあたりは別の問題集を併用すればカバーできます。
中高一貫校に通う、もしくは高校入試で難関校合格を目指す生徒には相応しい参考書です。
しかし、自習用教材としては不適格です。
自習用教材として使うには難易度が高すぎる
中高一貫校の生徒や高校入試で難関校合格を目指す生徒が塾などで使用したり、家庭教師と一緒に使ったりするには本当に素晴らしい教材です。
しかし、自習用の参考書としてこちらの書籍を購入し、1人で勉強するというのは無理です。
説明文が中学生にはとにかくわかりにくい
自習に適さない最大の理由は、説明文が長くてわかりにくい。これに尽きます。
難しい内容が難しい言葉で説明されています。「難しい」というのは「中学生にとって」です。
英語がある程度わかっている人からすれば、「うんうん、もっともだ」という内容であっても、この参考書が読者として念頭に置いているのは、その単元を初めて習う中学生のはずです。
事実、私が中学生と授業をしている際、ハイステージの説明文をそのまま読むと生徒は寝ます。ですので、ポイントを絞って、可能な限り平易な言葉で中学生には説明するようにしています。
自習なら学校の教材で十分
仮に自習用教材として1人で「ハイステージ英語」シリーズを使っているお子さんがいたとしても、実際には半分程度の内容しか理解できていないでしょう。
とても良いことが書いてあるのに、その重要性が中学生には伝わらない。当然のことですが、何度もポイントを強調して説明されなければ中学生は理解できません。
自習用としてこの教材を使いこなせるのは、難関中学でもクラスに2, 3人程度ではないでしょうか。
ハイステージ英語には、本当に良いことが書いてあるのにわかりにくい。よって自習用教材には向かない。
実際に中学生に教えていて強く実感することです。
ハイステージを自習用として使うくらいなら、学校で使っている教材を10回反復することをお勧めします。確実にその方が力はつくでしょう。
ハイステージ英語を使うなら塾か家庭教師または親御さんと
さんざん「自習用教材には適さない」と書いたものの、ハイステージは内容的には重要なことがたくさん書かれています。
自習用の参考書としては向かないだけです。
例えば、ハイステージを塾で先生が丁寧に教えたり、英語の家庭教師の先生が教えてくれるのであれば、ぜひともお勧めしたい参考書です。
実際に塾でこの教材を使って教えている生徒たちの成績は、学校でも安定して上位クラスです。
親御さんがすごく英語ができてお子さんに教える余裕があり、「何か良い教材はないか」と聞かれればハイステージをおすすめします。
自習用としては厳しいけれど、教えてくれる人がいるのであれば一気に素晴らしい教材になる。そんな参考書だと思います。