ENGLISH LAB.代表の糸賀です。
TOEIC800点を超えたらどうすべきか?
勉強法や教材などはそのままでいいのか?
TOEIC800を超えたらどう勉強すべきかについて本記事ではご紹介します。
TOEIC800点を超えたらTOEICは卒業すべき
TOEIC800点を超えたら何をどう勉強すべきかについては、目標によって2つの方向性があると思います。
- TOEIC900点以上を目指してそのままTOEICの勉強を続ける
- TOEICを卒業してスピーキング力を強化する勉強にシフトする
どちらを選ぶかは人それぞれの事情によって異なります。
転職などで900点以上というインパクトのあるスコアが欲しいという方は、そのままTOEICのスコアアップを目指すでしょう。
TOEIC800点から900点を目指す方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。
本記事が対象とする読者は後者、上記2に該当する学習者の方々です。
「TOEICの点数が目的なのではない。英会話力をアップさせることが目標で英語の勉強を始めた」という人は、TOEIC800点以上のスコアを取った後はTOEICを卒業すべきです。そのままTOEIC対策を続けても英語を話せるようにならないからです。
では、TOEICを卒業してどのような勉強を始めるべきなのか?
TOEIC800点を超えたら、次の2つを鍛える学習に切り替えましょう。
- 「日本語を瞬時に英語に変換する」能力を鍛える
- 「言い換え」力を伸ばす
この2つが具体的にどういうことなのか見ていきましょう。
TOEIC800点を超えたら「日本語を英語に変換する」能力を鍛える
「英語のスピーキング力を鍛えたい」「英会話力を伸ばしたい」という方は、TOEIC800点を超えたら「日本語を瞬時に英語に変換する力」を鍛えましょう。
TOEICや大学受験というのは、英語を読んだり、または聞いたりしてその内容理解度を問うものです。そういった試験で問われる能力は「英語→日本語」の回路のみです。
しかし、スピーキングで問われるのは日本語の発想を、自分がこれまで培ってきた英語の知識を駆使し、無理やりにでも英語に変換する「日本語→英語」の変換能力なのです。
例えば、次のAさんとBさんの会話を読んでみてください。
A: Good afternoon, Ms. Ellison. We have some merchandise to deliver to you this morning. Will you be available?
B: I’m leaving the house right now for a doctor’s appointment, and I don’t know how long it will take. Can you send it later?
A: We have quite a number of deliveries today, but we should have an opening around five o’clock this afternoon. Would that be all right?
B: That would be better. I should be done by then. Could you have the delivery driver call me when he’s nearby?
簡単ですよね。TOEIC800点以上のスコアを持つ人なら読んで瞬時に意味がわかる文章だと思います。
では、次の日本語をまず一読してください。そしてすぐにその内容を英語で話してみてください。
一言一句訳すのではなく大筋の内容だけで結構ですので、とにかく英語に変換してみてください。
A: こんにちは、エリソンさん。今朝あなたにお届けする品があるんですが。ご都合いかがでしょうか?
B: お医者さんとの診療予約があって今から出かけるところなんです。どのくらい時間がかかるかわかりません。後で送ってもらえますか?
A: 我々も今日はかなりの配送があるんですが、午後5時頃なら空きがあるはずです。その時間でよろしいでしょうか?
B: そちらの方がいいですね。私もその時間には終わっているはずです。配達してくれる運転手さんに「近くに着いたら電話してください」とお伝えいただけますか?
一読した内容を瞬時に英語にできない人が大半だと思います。この日本語は先ほどの英文と同一の内容です。
同じ内容でも英文のほうは読んで瞬時に理解できるのに、日本語で読んでそれを瞬時に英語に変換するということはできない。
まさにここが日本の英語学習者の弱点であり、「TOEICの点数は取れても英語が話せない」学習者が非常に多くいる原因はここにあると私は考えています。「日本語を英語に変換する」トレーニング量が絶対的に不足しており、それがスピーキング力の低さにつながっているのです。
「英語を読んで内容を理解する」という能力と「日本語を英語に変換する」能力とは、大きく種類が異なります。
しかし、日本における英語学習では、中学・高校・大学そして社会人になっても、「英語を読む(聞く)→内容を理解する→内容に合致する選択肢を選ぶ」というものが王道です。
これでは「日本語を英語に変換する」能力は鍛えられません。繰り返しになりますが、実際のスピーキング(ライティングも)で問われるのは頭の中で考えたことを無理やりにでも英語にする能力です。
この力は当然ながら「日本語を英語に変換する」というトレーニングをひたすら繰り返すことによって初めて伸ばすことができます。
TOEIC800点を超えたら、こういった学習に切り替えましょう。
しかし、これだけでは十分ではありません。さらに「言い換え力」も鍛えましょう。
TOEIC800点を超えたら「言い換え」力を伸ばす
例えば、次の内容をどのような英語にするか考えてみてください。そして、可能な限り多くの英文に変換してください。
いくつの文章が思い浮かびましたか?直訳でなくても結構です。
- Without your support, I cannot continue working.
- Your support allows(enables) me to continue working.
- I can continue working because I have your support.
- I can continue working because you support me.
- I can continue working because of(thanks to) your support.
- It's impossible for me to continue working without your support.
どれも正解だと言えます。
まだまだ作れますが、最低でも瞬時にこのくらいの数の文章は作り出せないと、スピーキングでは困るはずです。
1つの文章につき1つの文章しか作れないのでは、実際の英会話における即時性に対応できません。
TOEIC800点を超えたら、このような変幻自在に言い換える力を鍛えましょう。
言い換えについては、ぜひこちらの記事もご覧ください。
まとめ
- TOEICは卒業する
- 日本語を英語に変換する能力を鍛える
- 言い換え力を鍛える
TOEIC800点を超えたらTOEICは卒業し、ぜひスピーキングを鍛える学習にシフトしてください。
そのままTOEICのスコアを上げるためだけの学習を続けて990点を取ったとしても、話せるようにはなっていないはずです。
日本でもスピーキングは鍛えられます。がんばってください。