英語上級者はリスニングをどのように鍛えるべきか。
英語は上級者と言えるレベルだけど、全然リスニングに自信がない…
そんな英語上級者のための「英語上級者のリスニング教材&使い方」を本記事ではご紹介します。
「リスニングに悩む英語上級者は、教材と使い方を変えるべき」です。
本記事は、次のような学習者の方向けに書いています。
- 英語上級者(TOEICスコア目安:800点~990点)
- リスニングをさらに強化していく具体的な学習法が知りたい
- 今は初級、中級レベル(TOEIC800点未満)だけど、上級に達した際のリスニング上達法を知りたい人
それでは、見ていきましょう。
目次
英語上級者が抱えるリスニングの悩み
英語スピーキング強化スクールENGLISH LAB.代表の糸賀です。
私は「TOEICハイスコア(800点~990点)だけど、話すのは苦手、ネイティブの話の聞き取りも苦手」という受講生と日々トレーニングをしています。
私のスピーキングスクールに通ってくださる受講生の大半は、TOEIC800~990点のスコアを持っている英語上級者です。
「そんなに点数が高い人たちがまだ勉強する必要があるのか」と思う方もいるかもしれません。
ですが、そういった英語上級者の多くが、リスニングでの悩みを抱えています。
「TOEICのようなテストで点数が取れても、実際の会話になると聞き取れない」という悩みです。
英語上級者はリスニング教材を「生の音源」に変えるべき
実際の会話になると聞き取れない悩みを抱える英語上級者が、今後さらにリスニング力を伸ばすには、これまでとは異なるアプローチが必要です。
まず使用するリスニング教材を変えるべきです。
英語上級者は「生の音源」を使ってリスニングを鍛えよう
「どのようなリスニング教材に変えるのか」ですが、ナレーターの綺麗な音声を収録したリスニング教材を使うのはやめましょう。
代わりに、ニュースやインタビューなど、ネイティブが本気で話している生の音源を使いましょう。
ネイティブがネイティブに向けて話している音声が理想です。
英語上級者がリスニング教材を変えるべき理由
生の音源を使うのは、実際の会話のレベルに慣れておくためです。
実際の会話では、一般の市販教材のようにナレーターがきれいな発音で話してはくれません。
英語上級者ならおわかりだと思います。
生の音源は以下のような特徴があり、TOEICのリスニングと比べると難易度はグッと上がります。
- スピードが速い
- スピードが一定ではない
- 言い直しが多い
- 文法的に不正確な箇所もある
「スピードが一定ではない」点が特に重要です。
常日頃から英語でのミーティングなど、英語を使う「本番」を想定した練習が必要です。
TOEIC対策のリスニング教材は使わない
英語上級者が使ってはいけないのがTOEIC対策のリスニング教材です。
理由は単純で、TOEICのリスニングは簡単すぎるからです。
すでにTOEICで高得点を持っている英語上級者が、TOEIC教材を使って勉強しても、それ以上の成長にはつながりません。
ある程度のレベルに達したら、そのレベルにふさわしい難易度の高い教材を使いましょう。
英語上級者のための具体的なリスニング教材
では、どういった教材が「ふさわしい」のか。教材を選ぶ条件としては、
- ナレーターがクリアな発音で話す学習用教材ではなく「生の音源」を収録した教材
- しっかりした日英対訳がついているもの
- 単語やフレーズの日本語の意味が掲載されているもの(調べる時間が省ける)
以上の3点が重要です。
質が高い日英対訳がついている次の4つの教材がおすすめです。
おすすめの教材①:CNN ENGLISH EXPRESS
CNN ENGLISH EXPRESSは、質が高く、英語上級者におすすめの教材です。
月刊で、CNNで実際に放映されたニュースやインタビューが掲載されています。
ほぼすべて生の音源で、しっかりした対訳がついており、単語の意味も大量かつ丁寧に記載されています。
普段からこのレベルの教材を使って入れば、ネイティブとの会話に恐怖心を抱くことはなくなります。おすすめです。
おすすめの教材②:CNN Student News
CNN Student Newsもおすすめです。
「初級者からのニュース・リスニング」とサブタイトルが付いていますが、初級者には間違いなく不向きでしょう。
TOEICで言うと、800点~990点を取得している英語上級者向けの教材です。
音源の素材は、アメリカの高校生などに最新の話題を易しく伝える番組です。
ですので、ネイティブがネイティブに向けて話している音声を収録しています。
難易度はTOEICリスニングなどとは比較にならないほど上の、素晴らしいリスニング教材です。
薄い教材なので、こちらの教材を徹底的にやり込めば、英語上級者にとっても有意義なリスニング学習になるでしょう。
おすすめの教材③:VOAニュースフラッシュ
VOAニュースフラッシュは、VOA(米国国営放送)発信のニュースを収録したものです。
政治・経済・ビジネス・社会・文化といった幅広い分野のニュースが収録されています。
音声は当然、生の音源で難易度も高く、英語上級者には最適のリスニング教材です。
おすすめの教材④:知の最前線
ニュース教材が苦手という方には、知の最前線というインタビュー教材がおすすめです。
私が受講生の皆さんに必ずおすすめする書籍で、知識人に英語でインタビューした音声をまとめた本です。
インタビューですので、生の音源で、かつ、しっかりした日本語対訳も付いています。
言葉の使い方なども勉強になるはずです。
リスニング教材の使い方も重要
上記のような教材を使うだけでは不十分で、教材の「使い方」も重要です。
- 音源をスクリプトなしで1回聴いて、どのくらい理解できるかを確認する
- スクリプトを見て読解する(知らない単語やフレーズがあれば覚える)
- すべて読んで内容を理解したらシャドーイングを開始
- 同じ音源を使って最低1週間はシャドーイングする
このステップをまずは3ヶ月やってみてください。効果を実感し始めるはずです。
そして、半年、1年と継続してください。
シャドーイングの手順については、こちらの記事も参考にしてください。
まとめ
本記事でのまとめです。
- 英語上級者はリスニング教材を変えるべき
- TOEICのようなナレーター音源ではなく「生の音源」を使用
- ニュース音源やインタビュー音源などの市販教材がおすすめ
- リスニング教材の使い方にも注意が必要
- リスニングはシャドーイングで鍛える
英語上級者のため情報は、あまり多くありません。
悩みを抱える英語上級者のために書いた、こちらの記事もぜひご覧ください。
英語上級者にとっての基本的な考え方を押さえて頂きたいです。
また、リスニングだけでなく、スピーキングやライティングも伸ばしたいという学習者の方には、こちらの記事がおすすめです。
英語上級者でも、きちんとした教材を選び、正しい方法で鍛えれば、リスニングをはじめ英語力は伸び続けていきます。
魔法はありませんが、しっかりした学習法はありますので、日本国内で英語力を伸ばしていきましょう。