ENGLISH LAB.代表の糸賀です。
TOEIC850点は不思議なスコアだと、これまでの経験から感じています。
「すごい」点数なのか。そのすごさは何なのか。
TOEIC850点がどのくらいのレベルなのかについて、本記事ではご紹介します。
TOEIC850点はすごいのか?
私は日々TOEIC800点~990点以上の生徒さんとマンツーマンで授業をしています。TOEIC850点前後でスピーキングやリスニングに困っている方々と日常的に接しています。
TOEIC850点を「すごい」と思うかどうかは、立場によって異なります。
例えば、外資系企業や日系グローバル企業でTOEIC850点が「すごい」と評価されることはまずないでしょう。
そういった世界ではTOEIC850点というスコアはごく普通です。
そのレベルの企業で仕事をされている方というのは高い確率で高学歴です。そういった人が本気で勉強したらTOEIC850点であれば2カ月~半年程度で取得できます。
ですが、大学2年生が就職活動に備えて850点を取得したとすれば、それは立派なことで紛れもなく「すごい」スコアです。
非帰国子女で海外留学経験すらない中高生が850点を取得した場合も同様で、すごいスコアだと言えます。
TOEIC850点に対する社会的評価というのは、この程度が妥当かなと思います。
TOEIC850点は英語を仕事で使う人から見れば、ごく普通のスコアで特にすごくはないスコアです。
TOEIC850点にできること
とはいえ、それはあくまで「英語を仕事で使う人から見れば」です。
上述のとおり私はTOEIC850点前後の方々と一緒に勉強する機会に恵まれてきました。
その経験からTOEIC850点と800点との間には大きなレベル差があると感じています。「わずか50点でこうも違うか」という印象です。
また、TOEIC850点は不思議なスコアで「できること」と「できないこと」に個人差が大きいのが特徴です。
TOEIC850点取得者の方々に「できること」と「できないこと」は、次のようなものです。
- 時間があればTOEICレベルの英文なら正確に読める(これは本当に大事)
- 込み入った話でなければ外国人の英語を理解できる
- 自分が知っている分野の話であれば、英語のインタビューはかなり聞き取れる(個人差あり)
- 苦労しながらではあっても、英語で自分が言いたいことを相手に伝えられる
- スピーキング力は人によって大きく異なる
- スピーキングが得意な人はかなり話せる(900点台の人より話せることも多々ある)
- 英語を速く正確には読めない(だからこそTOEICのリーディングで450点以上取れない)
- 英語のニュースを正確に聞き取れない
- スピーキングテストVERSANT®だと40点~55点のほど(個人差が大きい)
人によっては、900点台の人より高い英語力をお持ちです。
ここがTOEIC800点との最大の違いで、TOEIC800点の人で「900点の人より高い英語力を持っている」という人は見たことがありません。
TOEIC850点のすごさ
非帰国子女で海外長期滞在経験もなく、中学1年から英語の勉強を始め、日本の英語教育の弊害をもろに受けながらTOEIC850点を取ったという事実こそTOEIC850点のすごさです。
頭が良いか努力家か、その両方でないと不可能です。
そういった意味で間違いなくすごく、ポテンシャルや努力には素晴らしいものがあります。
努力ができるという点が最大のポイントです。850点というスコアは「努力することができる人」であることを何より証明してくれる点数です。
TOEIC800点台であろうとTOEIC900点台であろうと、英語を使う仕事をされている人であれば今後も勉強が不可欠です。
特にスピーキングとリスニングには不安を感じる人が多いはずですが、スピーキングもリスニングも学習方法を確立すれば、あとは努力するのみです。
今後は独学でスピーキングとリスニングを伸ばす
TOEIC850点に到達した後は、あまりTOEICのスコアは気にせず、リスニングとスピーキングを伸ばしていきましょう。
独学でスピーキングを勉強したいという方は、以前に書いた独学でも上達!英語中・上級者のためのスピーキング練習法をぜひ参考になさってください。
リスニングについてもTOEIC800, 900点台の上級者向けリスニング学習|誰でもできる練習法という記事もぜひご覧ください。
これまで努力を積み上げてTOEIC850点を取得できた人であれば、今後も国内で勉強を続け、さらなる高みに到達することは十分可能です。ぜひがんばってください!