ENGLISH LAB.代表の糸賀です。
今回は、「高校1年生で英検準1級に合格」した生徒の事例をご紹介します。
英検準1級は、高校3年生でも合格が難しい試験です。
私の別の教え子で、今年早慶上智のすべてに現役合格した子も、準1級合格は高校3年生の秋でした。
今回の事例(高校1年生で英検準1級に合格)の生徒さんが「すごい」ということが、伝わるかと思います。
とはいえ、この高1の生徒さんも、最初から英語が得意科目だったわけではありません。むしろ苦手科目でした。
どのような生徒だったのか、準1級に合格するまでに採用した勉強法、そして英検準1級合格のポイントについてご紹介します。
ぜひご覧ください。
目次
中2から英語塾通いを開始、高1で準1級合格
どのような生徒であったかをご紹介します。
名前は、仮にBくんとします。
Bくんは、高校1年生の冬に英検準1級を受験し、合格しました。
- 中2で英語塾に入会
- 私立中高一貫校生
- もちろん帰国子女ではなく、英語は中学入学後に開始
- 中2時点では英語は苦手科目だった
- しばらく英語の成績は上がらず、中3の夏以降に上がり始めた
- 目の前のテスト結果に一喜一憂しないタイプ
- 真面目で素直で謙虚、性格は最高
- やる気があり、毎週の課題は確実にこなす
- 今では駿台や河合など外部実力試験での英語偏差値も非常に高い
Bくんは、とにかく性格が良い。出された課題は多くてもこなす。これが最大の特徴です。
中2で私の塾に入会し、ここまで教えてきたのですが、中3になるまで成績が大きく向上することはありませんでした。
明らかに良くなってきたのは、中3の秋頃です。
多くの人がすぐに結果を求める中、Bくんは成績に一喜一憂することなく、淡々と毎週の課題に取り組んでくれました(今もそうです)。
地道に日々の学習を積み上げていき、次第に英語の成績が良くなっていき、気が付いたら中3で英検2級に合格していました。
高校に進学した際、「高校1年生のうちに英検準1級に合格しよう」と話したのを覚えています。
高1になっても、学習姿勢は変わらず、高校1年生の冬に本当に英検準1級に合格しました。
英検準1級は高2合格でもすごい
英検準1級はハイレベルで、「高校2年生のうちに合格」でもすごい試験です。
高校2年生のうちに準1級に合格する英語力があるのであれば、大学受験に向けた英語学習は順調だと言えます。
難関国公立や早慶を十分に狙える英語力です(もちろん他科目の成績次第ですが)。
早慶上智に現役合格した生徒も英検準1級合格は高3秋
例えば、私の教え子で、今年早稲田、慶応、上智の3つの大学に現役合格した生徒も、英検準1級合格は高校3年生の秋でした。
Bくんとは違い、その生徒は高校2年の4月から教え始めましたが、英検準1級には何度か落ちてしまい、合格は高3の秋までずれ込みました。
このように英検準1級は、難関大に最終合格するレベルの生徒でも苦戦する試験なのです。
英検2級までは勢いで突破できますが、準1級からは明らかに別物です。
小手先の勉強だけでは、どうにもなりません。
高校1年生で合格したBくんのすごさが、理解いただけるかと思います。
勉強法は英検対策に偏らないよう注意
Bくんが英検準1級に合格するために、どのような勉強をしたかについてですが、特別な英検対策はしていません。
ただ、英検準1級のリスニング過去問だけは、かなり長い期間、教材の1つとして使っていました。
ですが、リスニング過去問を使ったのは「英検対策」としてではなく、リスニングをはじめとした根本的な英語力を強化するためです。
スピーキング対策も直前期になってようやくおすすめ教材を指定し、取り組み方を説明しました。
もちろん進捗管理はしていたものの、基本的にはBくんが、その教材を1人で進めていました。
準1級合格は日頃の勉強のおまけ
Bくんが高1の夏頃、「このままいけば、高1のうちに準1級に合格する実力はつくな」と感じていました。
ですが、最終目標はあくまで大学受験だったので、「別に準1級には合格しなくてもいいよ」とも伝えていました。
結果は合格だったものの、いずれにせよ、そう伝えた段階で、彼には高校生としては高いレベルの英語力が身に付いていたことは確かです。
これで大学受験の英語はまず大丈夫だろうと、今も思っています。
英検準1級合格は、日頃から勉強をがんばっていたおまけです。
高校1年生で英検準1級に合格した5つのポイント
Bくんの「高1で英検準1級合格」にとって重要だったと私が感じる点は、以下のとおりです。
本人のやる気
Bくんは課題を出すと、それを素直にこなそうと努力してくれます。
この、他の誰でもない本人の姿勢がきわめて重要です。
塾に入ったのに勉強しない子というのはたまにいますが、Bくんは決してそのタイプではありません。
本人の基礎学力
では、課題をこなせば誰でも英検準1級に合格するのかというと、そうではありません。
一定レベル以上の基礎学力がBくんにあったことも、もちろん重要です。
ですが、Bくんが通う私立中高一貫校は、東大合格者が毎年数十名というレベルの超進学校ではありません。
とはいえ、基礎学力はポイントの1つです。
中2で英語塾に入会
中学2年で英語塾に入会し、指導を受けてきたことは、間違いなく重要な点です。
これが英語が苦手なまま、中学3年間を終え、高校になっての入会であったら、ここまで上手くいくことは絶対にありません。
たとえ基礎学力があっても、です。
本人の性格
これまでに述べたとおり、Bくんはとても性格が良く、素直で謙虚です。
また、すぐに結果が出ないと焦り出して自滅する生徒もいる中、Bくんは特に結果が出なかった中学2年や3年の1学期でも常に落ち着いていました。
この性格が、高1で英検準1級に合格した最大のポイントかもしれません。
親御さんが立派
Bくんの英語の成績がさほど上がらなかった時期でも、親御さんは落ち着いていました。これも大きなポイントです。
英語に限らず、子供の成績への関心が高すぎ、思うように成績が取れないと本人より焦る保護者の方もいらっしゃいますが(塾業界の人なら誰もが分かるはずです)、Bくんの親御さんは常に落ち着いていました。
立派としか言いようがありません。
そもそも、うちのような無名の怪しげな塾に、大事なお子さんを入れてくださっただけでも大感謝です。
そのご恩に報いるべく、私は今後もがんばります。
目標は英検準1級ではなく大学受験
英検準1級に合格したBくんですが、目標は大学受験です。
英語だけでBくんの志望大学に合格できるわけではありませんが、高校1年で英語がこれだけのレベルに達していることは、大きな安心材料です。
少なくとも英語に関しては、このまま進めば大丈夫です。
一般論として、中高一貫校の生徒で難関大進学を目指すのであれば、やはり英語と数学は早い段階から可能な限り進めておくことを強くおすすめします。
まとめ
本記事のまとめです。
- 英検準1級に高1で合格はすごい
- 高2合格でもハイレベル
- 早慶上智に現役合格するような生徒でも、英検準1級合格は高3、場合によっては受からないというケースもあり
- 英検対策より日頃の勉強が大事
- 本人のやる気や性格は欠かせない要素
- 中学から英語塾でしっかり勉強していることも重要
ENGLISH LAB.では、英検に限らず、中高一貫校生の英語対策について、いつでもご相談を受け付けています。
理系か文系かにかかわらず、英語は大学受験にかかわってきます。
多くの中高一貫校生にとって、準1級は最終目標ではないものの、高1までの目標に掲げておいて損はありません。
英検は問題の質が非常に高く素晴らしい試験だと、教えていても感じます。
たとえ不合格でも、一生懸命に勉強して身に付いた知識は、大学受験においても必ず役に立ちます。
中学生のうちから、遅くとも高校1年生から、英語はしっかり勉強することを強くおすすめします。