東大の二次試験ではリスニング問題が出題されます。
4年分の東大過去問を使い、リスニング問題を解いてみました。
難易度やコツ、勉強法など東大リスニングの傾向と対策についてご紹介します。
目次
2021・2020・2019・2016年の東大リスニング過去問を赤本で解いてみた
過去問シリーズ第5弾は東京大学二次試験のリスニング問題です。
2021年・2020年・2019年・2016年の東大のリスニング過去問を赤本を使って解きました。
以下、その結果です。
年度 | 正答数/問題数 |
2021年 | 14問/15問 |
2020年 | 5問/5問(残り10問は著作権の都合上聞けず) |
2019年 | 14問/15問 |
2016年 | 15問/15問 |
2021年と2019年の過去問はもう1問間違えてもおかしくありませんでした。
音声はとても長いものの、全体的な内容はとても理解しやすいものです。
ですが、細かい部分まで聞き取れていないと正解できない問題もあります。
多くの受験生は対策の仕方や勉強法、リスニング問題を解く際のコツなどについて不安があると思います。
東大リスニングは十分な対策が必要です。事前に十分に対策しさえすれば恐れる必要はありません。
また、東大二次試験本番のリスニングでは問題文と選択肢の先読みが重要なカギになります。
それでは見ていきましょう。
【東大の二次試験】英語リスニングの時間&配点&出題傾向
まずは、東大リスニング基本情報の確認です。
ご存知の方は読み飛ばしてください。
- リスニングの試験時間は約30分間(英語の試験時間は120分)
- 英語の試験開始後45分経過した頃からリスニングが始まる
- リスニングの配点は30点(英語科目の満点は120点)
- リスニング問題は(A)・(B)・(C)の3つのパートから出題される
- (A)と(B)は内容的に関連しており、(C)は独立
- 講義形式と会話形式の問題音声が計3つ流れる
- それぞれの問題音声は2回ずつ放送される
- 内容説明や内容真偽の選択肢問題
- 社会・文化・科学など幅広い分野から出題
問題音声が2回放送されるという点がポイントです。
リスニングの満点は30点
リスニングの配点は30点です。
東大英語は文理ともに英語科目の満点は120点なので、リスニングは4分の1を占めます。
無視できない配点なので、東大合格を目指すならリスニング対策が必須なのは言うまでもありません。
【解き方のコツ】先読みを上手に済ませることが最大のカギ
上述の通り、リスニング問題は英語科目の試験開始後45分が経過した頃に始まります。
それまでにリスニングの問題文と選択肢の先読みを上手に終わらせておくことが東大リスニング攻略における最大のポイントです。
先読みについて2つ注意点があります
- 先読みにどのくらいの時間をかけるべきか
- 試験開始後どのタイミングで先読みをするのか
1. 先読みにどのくらいの時間をかけるべきか
長くても5分以内に留めておきましょう。本当はもっと短くしたいところです。
リスニング以外の問題を解く時間を使って先読みしているので、短い時間で済ませるべきです。東大英語は時間との戦いです。
問題文や選択肢をすべて丁寧に読みこまなくても、固有名詞を確実にチェックし、各問題文と選択肢を1つか2つほど確認できれば対応できるはずです。
東大英語の過去問を解きながら、最短で問題の下読みをする方法を探り当てておきましょう。
2. 試験開始後どのタイミングで先読みをするのか
やり方は2つあります。これは人によって分かれるので、自分に合うやり方を採用してください。
1つ目は「試験開始直後に先読み」、2つ目の方法は「リスニング問題開始直前に先読み」する方法です。
1つ目の方法のメリットは、開始直後に読んでおけば他の問題に集中できることです。デメリットは45分経過してリスニング問題が開始する頃には下読みした内容を忘れてしまいがちであることです。
2つ目の方法のメリットは、リスニング問題開始直前に下読みするため記憶が新鮮である点です。デメリットは、他の問題に没頭して先読み開始のタイミングを逃してしまい、先読みが終わる前にリスニング問題が始まる可能性があることです。これは悲劇です。
双方にメリットとデメリットがあるため、こちらも過去問を解くなかで自分に最も合う解き方を探り当ててください。
【東大リスニング対策 】勉強法&いつから始めるべきか
勉強法はシャドーイングを強くお勧めします。音声の聞き流しでは不十分です。
シャドーイングのやり方については、こちらの記事を参考にしてください。
いつからリスニング対策を始めるべきか
東大を受験すると決めたその日から対策を始めると考えてください。
高3でも手遅れではありませんが、リスニング対策は遅くとも高2から始めるべきです。さらに言えば高1や中学の段階で普段の勉強に取り入れるべきです。
東大を受験すると決めてはいないものの共通テストを受けることは確実なのであれば、早い段階からリスニング対策を始めましょう。
純粋な東大リスニング対策であれば、東大の英語リスニング20カ年や鉄緑会 東大英語リスニングといった参考書を使うのがよいでしょう。勉強法は上述のとおりシャドーイングで進めます。
これらの参考書が難しすぎると感じたら、まずはZ会の共通テスト実戦模試などから始めるのが良いでしょう。
高校1年生など共通テストレベルでも難しいと感じるのであれば、英検2級のリスニング過去問から始めても構いません。
とにかくシャドーイングという勉強法に慣れ、リスニングを普段の学習に取り入れてください。高1の場合は1日5分のシャドーイングで構いません。
十分に準備すれば難易度は決して高くない
仮に高2から東大受験に向けてリスニング対策を始めたとしましょう。シャドーイングで対策を入試当日まで続けることができれば、難易度は決して高くありません。
ですが、上述のとおり東大リスニングはすべての問題音声が2回流れます。いくら長いとはいえ会話音声や講義音声が2回も流れるのです。世の中に2回繰り返される会話や講義はありません。
また、問題を先読みする時間もあります。
きちんと準備すれば8割以上正解できるでしょう。
まとめ
まとめです。
- リスニング問題の配点は30点、無視できない
- 3つの長い音声(会話形式や講義形式)が2回ずつ流れる
- 問題と選択肢の下読みを5分以内で上手に行うことが不可欠
- どのタイミングで下読みするのかは受験生次第
- 遅くとも高2からシャドーイングでのリスニング対策は始めたい
以上の情報が、東大を受験する受験生の皆さんの参考になれば幸いです。
過去問シリーズは、慶応義塾大学法学部、青山学院大学経済学部、東京工業大学編などもぜひご覧ください。
東大合格を目指す受験生の皆さん、リスニングは早めに準備を開始しましょう。悔いが残らないようがんばってください!