Eikaiwa Hacks

「話す」ための英語学習メディア

ENGLISH LAB.代表の糸賀です。

私は、「スピーキング力を高めたい」という生徒さんと日々トレーニングをしています。

本記事では、次のような学習者の皆さんのために、英検1級スピーキング試験の対策方法をご紹介します。

・英検1級を受験したいが、スピーキングにあまり自信がない
・仕事などで忙しく、2次試験の対策にあまり時間を使えない
・独学で対策したい

ぜひご覧ください。

英検1級のスピーキング対策は独学で十分

英検1級スピーキング対策を紹介する記事です。

英検1級のスピーキング対策のために、スクールに通う必要はありません。独学で十分に対応できます。

ただし、1次試験に合格してから2次試験対策を始めるのではなく、英検1級を受験すると決めたときから、語彙やライティングとともに、スピーキングの対策も開始してください。

スクールに通う必要はありませんが、スピーキングの学習期間を確保しておくことは必要です。

2次試験対策に必要な期間

受験する人の現時点での英語力に大きく依存しますが、英検1級のスピーキング対策だけで最低半年は必要だと考えておくべきです。

もちろん、もっと短い準備期間で合格する人もたくさんいます。

ですが、英検1級は初挑戦という人であれば、スピーキング対策の準備に「最低でも半年はかかる」と考えておくことをお勧めします。

スピーキングは短くても毎日行う

英検1級の受験者であっても、「筆記はできる。でもスピーキングは苦手」という人は多いと思います。

スピーキングへの苦手意識が強い人こそ、スピーキングの練習を必ず毎日行ってください。

たとえ短時間でも、毎日欠かさず取り組みましょう。

【準備】「英検1級面接大特訓」などの市販の対策本を買う

英検1級スピーキング対策、2次試験のための学習法を紹介する記事です。

独学で英検1級の2次試験対策を進めるために、まず行うべきことは、市販の2次試験対策本の購入です。

できれば、1冊ではなく、複数の本を購入することをおすすめします。

対策本を買いそろえる目的

市販の対策本を購入する目的は、以下の2点にあります。

①予想問題の仕入れ(面接ではどんな質問がされるのか)

②模範解答の仕入れ(どの程度のスピーチをすれば合格なのか)

この2点がわかっていなければ、対策が始まりません。

数多くのトピックと、それに対する模範解答の仕入れをおこなうために、予算が許す範囲内で、対策本はなるべく多く買っておくと良いでしょう。

おすすめ対策本

具体的には、以下の教材がおすすめです。

旺文社の過去問は値段が高いのですが、買っておいて損はないと思います。

「英検1級面接大特訓」は、収録しているトピックと模範解答の数が多いという点で優れています。

「予想問題メモ」をつくる

2次試験の対策本には、面接で出題されるようなスピーチの予想問題が収録されています。

それぞれの書籍に最低でも10個以上の予想問題が掲載されているはずです。

購入した書籍の中の想問題をすべてメモしておきましょう。

いつでも確認できる「予想問題メモ」として、スピーキング対策に活用してください。

英検1級の面接では、さまざまな分野から出題されるので、なるべく多くのトピックに触れておく必要があります。

「100の予想問題を用意する」と言いたいところですが、50個ほど用意できれば十分だと思います。

50から100個のトピックを仕入れておきましょう。

模範解答の丸暗記ではなく「自分なりのスピーチ」を準備する

トピックの数をそろえたら、「この質問にはこう答える」といった解答を準備しておきましょう。

2次試験の面接対策本に載っている模範解答を、そのまま丸暗記する必要はありません。

市販の教材には大きな欠点があります。どの本を見ても、「本番でこんな話し方は無理だ」と思うような、ネイティブっぽい立派な解答ばかりです。こんな言い回しを使うのは現実的ではありません。

大切なのは、「簡単な英語でもいいので、特定の質問にどう答えるか」を事前に決めておくことです。

話す内容を決めたら、自分の言葉でスピーチを準備し始めましょう。

ネット上の模擬問題などから拾ってきてもOK

英検1級の予想問題は、検索すれば、ネット上にたくさん載っています。

また、書籍を買うのが面倒ということであれば、予想問題と模範解答の両方をChatGPTに作ってもらうこともできます。

いずれにせよ、数多くの予想問題と模範解答を準備しておくことが重要です。

面接対策の具体的な勉強法

英検1級スピーキング対策、2次試験のための学習法を紹介する記事です。

スピーチの予想問題と模範解答の両方を手に入れたら、あとはスピーチのトレーニングを毎日欠かさずに取り組んでいくのみです。

1日30分でも良いので、継続してください。

ここでは、スピーキングの勉強をする際の具体例をご紹介します。

スピーチの具体例

例えば、以下のような予想問題と模範解答が、対策本に掲載されていたとします。

これを使って、どのように練習していくのかを見ていきましょう。まずは予想問題です。

【予想問題】
Are senior citizens discriminated against in today's society?

次に、それに対する模範解答として、以下のような英文が、対策本に載っているとします。

【模範解答】
Yes, senior citizens face discrimination in today's society. This issue appears in several ways.

First, many companies hesitate to hire older workers, believing they are less productive or unwilling to learn new skills. This age bias limits opportunities for seniors, even if they have valuable experience and knowledge.

Second, society often focuses on youth and innovation, which leads to seniors being overlooked. For example, advertising and media often target younger generations, ignoring the interests of older people. This can make seniors feel excluded or less valued.

Finally, healthcare systems sometimes fail to prioritize the needs of seniors. Long wait times and limited access to services can make it difficult for them to receive proper care. Additionally, some believe that resources should be focused on younger people, further marginalizing seniors.

To address these issues, we must promote inclusion and respect for all ages. Policies that prevent age discrimination in the workplace and healthcare are essential.
Moreover, raising awareness through education and media can help society value the contributions and needs of senior citizens.

By taking these steps, we can create a society where everyone, regardless of age, is treated fairly and with dignity.

簡単な英語に言い換えて話す

2次試験対策の対策本に載っている模範解答をまるごと覚える方法は、あまりおすすめできません。

覚えるのに時間がかかり、さらに対策本に載っている英語は難しい表現が多く、覚えるのがつらいからです。

おすすめは、模範解答を参考にしながら、自分で使えそうなネタを取り入れ、そして「この表現は自分には難しすぎる」と感じた部分は、もっと簡単な英語に言い換える、という手法です。

例えば、上記の模範解答を見て、赤字の部分を「この表現は自分には難しすぎる。自分には話せそうにない」と感じたとします。

そう感じたのであれば、その部分をもっと簡単な英語に言い換えてましょう。

【模範解答】
First, many companies hesitate to hire older workers, believing they are less productive or unwilling to learn new skills.

【言い換え】
First, many companies don’t want to hire older workers because they think older people are not as productive or can’t learn new things.

【模範解答】
This can make seniors feel excluded or less valued.

【言い換え】
Older people can feel they are not important for society because of this.

【模範解答】
Long wait times and limited access to services can make it difficult for them to receive proper care.

【言い換え】
Older people may think it is difficult to get proper care because of long waits and limited services.

あくまで一例にすぎませんが、このレベルの英語なら言えるはずです。

こういった「言い換え」は、スピーキング力の根本的な向上にも有効です。

こちらの記事で、より詳しい内容をご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

スピーチの流れを書いた単語メモをスマホに入れておく

模範解答を自分なりに言い換えるトレーニングをしたら、そのスピーチをいつでも再現できるよう、繰り返し練習しましょう。

模範解答の流れを覚えるために、簡単な単語メモを作るのがおすすめです。スマホにメモを保存すれば、いつでも練習できます。

たとえば、以下のような10個の単語でメモを作ると便利です。

これを見ながら、自分のスピーチがスムーズにできるよう、繰り返し練習しましょう。

単語メモ
  • 高齢者差別
  • 雇用機会
  • 若者重視
  • 広告・メディア
  • 疎外感
  • 医療格差
  • 資源配分
  • 包括政策
  • 教育啓発
  • 尊厳と公平

2次試験のQ&A対策はChatGPTを使う

英検1級スピーキング対策、2次試験のための学習法を紹介する記事です。

スピーチだけでなく、英検1級にはスピーチに関連するQ&Aセッションもあります。

面接でのスピーチ終了後、4分ほどの長さで行われる質疑応答です。

このQ&Aの対策もしたいという方には、ChatGPTの活用がおすすめです。

以下のようなプロンプトで、ChatGPTに自分が準備したスピーチを採点してもらい、それに関連するQ&Aの質問をしてもらうことができます。

ChatGPTの音声機能で、以下のプロンプトを英語で読み上げてください。

プロンプト例

I want to simulate the Eiken Grade 1 second-stage interview test. Please act as the examiner and help me practice.

Here is the flow of the test:

① I will give a 2-minute speech on a topic of my choice. I will let you know when I finish.

② After my speech, you will evaluate it based on logic, vocabulary, pronunciation, and fluency. Provide specific feedback and a score (out of 10) for each criterion.

③ Then, ask me 3-4 follow-up questions one at a time. Wait for my answer after each question before asking the next. Each question should relate to my speech topic.

④ Conclude the session with general feedback and advice for improvement.

Let me know when you are ready to start. I will provide the topic when you are ready.

英検1級はスピーチ対策だけで大変です。

ですので、余裕がある方のみ、このトレーニングも取り入れてみてください。

英検1級に合格してもスピーキングは鍛え続ける

英検1級スピーキング対策、2次試験のための学習法を紹介する記事です。

英検1級に合格しても、英語の勉強が終わるわけではありません。

これまで私は、英検1級に合格した多くの生徒さんと一緒にスピーキングのトレーニングを行ってきました。

「英検1級に合格しても英語がペラペラというわけではない」と実感されている方は、とても多いです。

ですので、合格後もスピーキング強化を続けることが大切です。以下の記事も、ぜひ参考になさってください。

まとめ

本記事のまとめです。

まとめ

・英検1級の2次試験対策は独学で可能:1次試験合格後ではなく、受験決定時からスピーキング練習を開始し、毎日短時間でも取り組む

・市販の対策本で準備:予想問題と模範解答を収録した対策本を複数購入し、幅広いトピックに対応できるよう準備する

・模範解答の丸暗記ではなく、自分なりのスピーチを準備する:模範解答を簡単な言葉に言い換え、自分の言葉で話せる内容を作成する

・スマホメモで時間や場所を選ばず練習する:予想問題や簡易メモをスマホに保存し、空き時間を活用してスピーチ練習を続ける

・合格後もスピーキング力を磨き続ける:英検1級合格後もスピーキング力向上を目指し、トレーニングを継続する

英検1級の2次対策に限らず、国内で学習しても、スピーキングを伸ばすことは可能です。

こちらの記事は、国内での学習だけでスピーキング力を伸ばした生徒さんの事例です。ぜひご覧ください。

英検1級のスピーキング対策は、英語を話すトレーニングを習慣化する、またとない機会です。

本記事でご紹介したような学習を、毎日のように繰り返していきましょう。